年金を繰り下げ受給する場合の注意点
年金の繰り下げ受給を行う場合には、給付額だけではなく以下のポイントにも注意が必要です。
年金を繰り下げ受給する場合は長生きできないと損する
繰り下げて年金を受給する場合、その利点は長生きすることでより多くの年金を受け取ることができることにあります。
しかし、繰り下げ待機中の早期に亡くなると、受給できる年金の金額は大幅に減少します。
たとえば、75歳で年金を受給しようと考えていた方が74歳で亡くなった場合、その方は年金を1円も受け取ることができません。
これは、繰り下げ受給のリスクの一つとして考えるべき点です。
年金を繰り下げ受給をして年金額が増えると同時に税金や社会保険料は増える
年金を75歳まで繰り下げて受給すると年金額は84%増加しますが、その増加した年金額に伴い税金や社会保険料も増加します。
そのため、実際の手取り額が84%増加するわけではありません。
繰り下げ受給を検討する際には、増加する年金額だけでなく税金や社会保険料の増加も考慮する必要があります。
年金を繰り下げ受給しても増えない年金もある
年金の繰り下げ受給を検討する際、すべての年金が繰り下げ受給の対象になるわけではありません。
加給年金、振替加算、特別支給の老齢厚生年金は繰り下げ受給の対象外です。
特に加給年金や振替加算は繰り下げている間、受給することができません。
この点も、繰り下げ受給を検討する際の注意点として頭に入れておくべきです。
繰り下げ待機中に亡くなった場合でも遺族年金は65歳時点で計算される
繰り下げ受給中に亡くなった場合、遺族が受け取る遺族年金の計算は65歳時点の年金額を基に行われます。
このため、繰り下げ受給の恩恵は遺族には受けられません。
年金の繰り下げ受給を考える際には、自身の健康状態や家族の状況を考慮し適切な判断をすることが必要です。
まとめ
年金を繰り下げて受給すれば、もらえる年金額を確かに増やすことが可能です。
しかし、自身の健康状態やライフプランによって、年金を繰り下げるべきかどうかは変わってきます。
自分でしっかりとシミュレーションを行って、年金を繰り下げて受給すべきか判断する必要があります。
もらえる年金額が増えるということは、雑所得が増えることを意味するので、繰り下げ受給をしたとしてもその分だけ税金や社会保険料が上がる場合もあるので注意してください。
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