国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

会計人ニュース

注目キーワード

不動産所得の経費計上の盲点

不動産所得とは、不動産、不動産のうえに存在する権利、船舶又は航空機の貸付による所得のことである。所得金額は、総収入金額から必要経費と青色申告特別控除を差し引いて計算する(所得金額=総収入金額-【必要経費+青色申告特別控除】)。
今回はこの必要経費のなかで、特に難しい経費をクローズアップしていきたい。

■借入金利子の経費がよくわからない

固定資産の取得を目的に資金を借り入れる際、支出する公正証書作成費用、抵当権設定当期費用、借入の担保として締結した保険契約に基づき支払う保険料などは、この不動産の借入金の利子に含まれる。このほか、当該資金の借入れのために通常必要と認められるものも、これに含むことが可能である。

賃貸に出している業務用資産は、不動産所得区分の業務が行われはじめた業務開始のときから、取得価額、又は必要経費として計上ができる。
しかし、不動産所得が赤字の場合は、土地等を取得するために要した借入金利子部分を、必要経費には算入することができない。そのため、所得金額を計算しておく必要がある。不動産所得用の収支内訳書の所得欄を確認しておこう。

不動産所得の所得欄が黒字の場合、原則どおり全額を必要経費に算入し、不動産所得の所得欄が赤字の場合は、計算した分の借入金利子しか必要経費に算入できない。「土地等を取得するために要した負債の利子の額」は国税庁のホームページにある計算式にて計算することができるので、こちらを参考にしてほしい。

■修繕積立金を、経費にしていなかった

よく「マンションの、修繕積立金の必要経費算入時期はいつ?」という質問がある。修繕積立金は、原則として実際に修繕等が行われ、その修繕等が完了した日の属する年分の必要経費に算入できるが、一定の要件を満たす場合には、支払期日の属する年分の必要経費に算入することができるのだ。

修繕積立金は、マンションの共用部分について行う、将来の大規模修繕等の費用の額に充てられるため、長期間にわたって計画的に積み立てられる。つまり、実際に修繕等が行われていない場合、具体的な給付をすべき事実が発生していないことから、原則的には管理組合への支払期日に属する年分の必要経費に算入することになる。

しかし、修繕積立金は区分所有者となった時点で、管理組合へ義務的に納付しなければならないため、修繕積立金の支払がマンション標準管理規約に沿った適正な管理規約に従っていれば、必要経費に計上可能だ。

この規約は、下記の要件を満たさなければならない。

1.区分所有者となったものは、管理組合に対して修繕積立金の支払義務を負うことになる。
2.管理組合は、支払を受けた修繕積立金について、区分所有者への返還義務を有しないこと。
3.修繕積立金は、将来の修繕等のために使用され他へ流用されるものではないこと。
4.修繕積立金の額は、長期修繕計画に基づき各区分所有者の共有持分に応じて合理的な方法により算出されていること。

■交通費はどうするべき?

入居希望者の物件見学に立ち会ったりする場合、交通費は、必要経費に計上可能だ。
ただし、交通費は自家用車を使うと、ガソリン代が認められにくい。そのため、公共交通機関を利用すべきだ。また、レンタカーの経費は、経費計上可能だ。

一つひとつ注意し、正確に経費計上をすることは、結果的には節税に繋がる。みなさんも一度、経費算入について見直してみてはいかがだろうか。

著者: KaikeiZine編集部

KaikeiZine

租税調査研究会が監修する税金・会計の総合ニュースメディアです。税金・会計に関するさまざまなニュースを、わかりやすくお届けします!
■税と経営の顧問団租税調査研究会
https://zeimusoudan.biz/
■KaikeiZine
https://kaikeizine.jp/

ページ先頭へ