全経簿記の最新の試験範囲

次に、全経簿記の最新の試験範囲について確認していきましょう。

全経簿記とは、公益社団法人全国経理教育協会が行っている簿記に関する検定試験のことを言います。

全経簿記は、日商簿記試験よりも難易度が低いと言われる試験ですが、上級レベルとなると難易度は日商簿記試験と遜色ありません。

日商簿記試験よりも認知度は下がるため、会計の専門学校などに通う学生が受験するケースが多い試験です。

2023年度の全経簿記の変更点とその詳細

全経簿記についても、2023年度は変更がありませんでした。

全経簿記は、2016年度に大幅な試験範囲の変更を行っています。

この変更によって、たとえば「外貨の換算」が2級に追加されたり「消費税」が「消費税(税抜方式)」に改められ、1級から3級に移行するなど大幅な変更が行われています。

日商簿記と同様に、全経簿記でも2019年度に新しい収益認識基準の変更によって出題形式の変更が行われています。

参考:

全経簿記能力検定試験 出題範囲の改定等について|公益社団法人 全国経理教育協会

簿記能力検定試験出題基準および合格者能力基準|公益社団法人 全国経理教育協会

全商簿記の最新の試験範囲

最後に、全商簿記検定について解説していきます。

全商簿記試験とは、全国商業高等学校協会が主催している簿記検定試験です。

正式名称を「簿記実務検定試験」と言い、1級、2級、3級にレベル分けがされています。

日商簿記や全経簿記とは異なり、商業高校、もしくは商業に関する学科を設置している高校に通う学生を中心に受験する試験です。

したがって、大学生や社会人などの受験は多くありません。

教育目的の試験という側面があることから、会計基準の変更に加えて学習指導要領改訂の変更によっても、試験範囲が変更されることがあります。

2023年度の全商簿記の変更点とその詳細

全商簿記試験については、2023年1月に実施された95回試験からは以下のような変更がなされています。

なお、1級に関しては、変更はありません。

3級に追加された論点

会計ソフトウェアの活用に関する論点

3級での出題から2級での出題に変更された論点

・約束手形に関する論点
・売買目的有価証券に関する論点
・固定資産の売却に関する論点
・税金に関する論点
・受取手形記入帳・支払手形記入帳に関する論点
・追加元入れ・引き出し
・現金過不足の処理方法
・当座借越契約の処理方法

2級に追加された論点

・約束手形に関する論点
・売買目的有価証券に関する論点
・固定資産の売却に関する論点
・税金に関する論点
・受取手形記入帳・支払手形記入帳に関する論点
・追加元入れ・引き出し
・当期純損益の計上 ※
・消耗品の処理 ※
※は3級からの移行ではなく、新しく追加された論点です。

2級での出題から1級での出題に変更された論点

・割賦販売(販売基準)に関する論点
・特殊商品売買(未着商品・委託販売・試用販売)に関する論点

参考: 

令和3年度 全国簿記教育研究協議会

令和4年度 全国簿記教育研究協議会

簿記試験の範囲変更への対策

簿記試験は経済やビジネスの動向、そして会計の実務に合わせて、その内容や範囲が時折変更されることがあります。

これは、簿記の知識や技能を正確に評価し、時代のニーズに応じた資格を提供するためのものです。

しかし、これらの変更は受験者にとっては新たな挑戦となります。

特に、試験範囲の変更は、受験者がこれまで学習してきた内容とは異なる可能性があるため、十分な対策が必要となります。

効果的な学習方法と受験のポイント

変更内容の把握

まず、新しい試験範囲の変更内容を正確に把握することが重要です。

公式な情報源や教材を参照し、どの部分が新たに追加され、どの部分が削除されたのかを明確に理解しましょう。

古いテキストを活用して勉強している場合は、必ず、新しいテキストを活用して問題演習に取り組みましょう。

1. 既存知識のブラッシュアップ

既に学習している内容に関しては基本をしっかりと確認し、ブラッシュアップすることが大切です。

特に、基本的な概念や原則は、新しい範囲の学習にも役立ちます。

2. 新範囲の集中学習

新しく追加された範囲について、特に集中して学習を行う必要があります。

模擬試験や過去問を利用して、実際の試験形式での問題解決能力を養成しましょう。

新しい論点については、いきなり難問が出題されることは稀です。

したがって、基礎知識をしっかりと身につけておきましょう。

3. 時間管理のスキルアップ

試験の時間は限られています。

効率的な時間管理を行い、全ての問題に答えるためのスキルを磨くことが重要です。

新しい論点が追加されることで出題形式が大きく変わる可能性があります。

出題形式が変わっても対応できるように、応用力を鍛えておくことが必要です。

総じて、簿記試験の範囲変更に対応するためには、変更内容の正確な把握と効果的な学習方法の採用が不可欠です。

そして、受験の際にはしっかりとした時間管理と、冷静な判断力が求められます。

これらのポイントを踏まえて、試験に臨むことでより高い成果を得ることができるでしょう。

まとめ

本記事では、簿記試験(日商簿記・全経簿記・全商簿記)の近年の範囲変更について解説しました。

簿記試験は、経済やビジネスの変化、技術の進化、そして国際的な会計基準の変更など、多岐にわたる要因によって試験内容の見直しを迫られています。

特に、デジタルトランスフォーメーションの影響やグローバル化の進行に伴い、簿記の実務も大きな変革を迎えており、これに対応するための新しい知識やスキルが求められるようになっています。

受験者は新しい範囲の変更内容を正確に把握し、効果的な学習方法を採用することで、変化する環境に柔軟に対応する必要があります。

受験者や試験に関心を持つ方々は、簿記試験の最新の動向や変更点を十分に理解して、適切な対策を立てて試験に臨むようにしましょう。


取材記事のお問い合わせはこちらから

◆最新記事はKaikeiZine公式SNSで随時お知らせします。
 
◆KaikeiZineメルマガのご購読(無料)はこちらから!
おすすめ記事やセミナー情報などお届けします。
メルマガを購読する