2年縛りに注意

免税事業者がインボイス登録によって課税事業者となった場合、登録を取り消しても免税事業者には戻れないケースがあります。

いわゆる「2年縛り」が適用されてしまうためです。

インボイスの登録取消し自体は、前述の方法と期限さえ守ればいつでもできます。

取消しはできるが、課税事業者を継続しなくちゃいけない、ということです。

例えば、2024年(令和6年)2月1日にインボイス登録をして、課税事業者になったとします。

この場合、登録日から2年が経過する日である2026年(令和8年)1月31日を含む課税期間中は、免税事業者には戻れません。

「2年縛り」という呼び名であるものの、実際に課税事業者として縛られている期間は2年超(このケースでは35カ月)になるのです。

引用元:インボイス制度において注意すべき事例

免税に戻れないのに登録だけを取り消しても、ほとんどメリットがありません。

消費税の申告・納税が必要なのにも関わらず、適格請求書を発行することはできないためです。

そのため2年縛りの適用を受けてしまう場合の取消しは、基本的に縛りが解けた課税期間から行うことになります。

ちなみに、2023年(令和5年)10月1日を含む課税期間にインボイス登録をした場合には、この2年縛りの適用がありません。

一般に「どうせ登録するのなら2023年中がいい」と言われるゆえんでもあります。

引用元:インボイス制度において注意すべき事例

クライアント対応に注意

インボイス登録を取り消した場合、クライアント対応にも注意をはらう必要があります。

クライアントがあなたに支払った報酬料金について仕入税額控除を受けられなくなることで、何らかの交渉を受ける可能性があるためです。

取消しによってクライアントから示されるであろう反応や、その反応への対応策を、下記にて紹介しています。

参考にしてください。

(参考:インボイス登録を「しない」とどうなる?しないと決めたらやるべきことも

まとめ

インボイス登録の取り消し方法とその注意点をまとめました。

消費税関係の届出には多くの「期限」や「縛り」があり、それに気付かずに届出してしまうことがよくあります。

加えて、誤りがあったとしても税務署がすぐに指摘してくれるとは限りません。

またインボイスについては、登録の有無によってクライントとの取引関係にも影響が及ぶ可能性があります。

取消しを検討される際は、あわせて取消しの届出がいつから有効になるのか、取り消すことによってどのような影響が生じうるか、といった点を事前に想定しておきましょう。

【執筆者過去記事】

インボイス登録を「しない」とどうなる?しないと決めたらやるべきことも


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