インボイスの登録が終わった後、気になるのが請求書や領収書の様式です。何に注意したらいいのでしょうか。営業担当者や小さな小売店や飲食店の方は不安かもしれません。今回は、そんな方たちに向けて、インボイス制度後の請求書や領収書の注意点をお伝えします。
この記事の目次
【登場人物】
よっちゃん(以下「よ」):まゆこの夫。行政書士。仕事はできるが税金はくわしくない。特技は料理と釣り。夢は釣り三昧の日々。
まゆこ(以下「ま」):税理士・税務ライター。「こむずかしい税金をいかに分かりやすく表現するか」ばかり考えている。趣味は、よっちゃんのごはんを食べること。
インボイス制度が始まったら領収書にも注意
よ「2023年10月以降、インボイス制度が始まったら請求書だけ気にすればいいんだよね?」
ま「何言ってるの。領収書も納品書も仕入明細書も要チェックよ」
よ「え…なんで…。だってインボイスって『適格請求書』って言うじゃないか」
ま「あれはそういう法律用語よ。インボイス制度が要求する記載事項がぜんぶ書かれた書類なら適格請求書なのよ。だから領収書も仕入明細書も納品書も当てはまるの」
よ「ガーン。そうなんだ。俺だと請求書を作らずに、その場で現金でもらって領収書を書いて渡すケースがあるんだけど…」
ま「よっちゃん、インボイスの発行事業者になるんだよね?なら、その領収書もインボイスの記載要件を満たさないとダメよ」
よ「がちょーん(谷啓調)」
ま「ただ、全部が全部、インボイスの記載事項を備えていなきゃいけないってわけじゃないの。どれか一つでもいいのよ。なんなら、複数の書類でインボイスの要件を満たすのもアリ」
よ「なぁんだ、そっか」
インボイスに書くべき内容 1. BtoBの場合
よ「ところで、インボイスって何を書けばいいんだっけ…」
ま「私、これまでインボイスの記事でさんざん書いてきて、よっちゃんにも見せた記憶があるんですけど」
よ「忘れた」
ま「(呆れ)…まぁとりあえず復習ね。まず原則のインボイス(適格請求書)。よっちゃんみたいに決まったお客さんと取引するような事業者は、この7つを書かないとダメ」
よ「税率のところがめんどくさいよね。これ『税率』じゃダメなの?内容から10%なのが分かるじゃん」
ま「言わんとすることは分かるけど『10%』『8%』とちゃんと書こう」
よ「なんで?食べ物なんて8%でしょ?」
ま「食用かどうかなんて品名を見ただけじゃ分からないでしょ。工業用の塩や油や水だってあるし」