公認会計士の資格取得の難易度や試験の具体的な内容が何か気になっている方も多いでしょう。当記事では、公認会計士試験の概要から、難易度、そして効果的な勉強法までを詳細に解説します。

この記事の目次

公認会計士になる難易度

公認会計士になる難易度は高いです。

こちらでは、難易度を具体的に示すため、公認会計士試験の合格率や年齢別の合格割合をまとめてご紹介します。

試験へのアプローチや自身の勉強戦略を見直す際の参考情報として使ってください。

公認会計士試験の合格率

公認会計士試験の合格率は一般的に低めで、これが試験の難易度の高さを示す一因となっています。

最終合格率は10%前後で、短答式試験の合格基準は4科目の総点が概ね70%以上を超えていることです。

ただし、1科目でも40%未満である場合は不合格になることがあります。

2022年12月に行われた第1回短答式試験の合格率は12.1%、5月に行われた第2回は7.9%になります。

また、2023年12月に行われた第1回短答式試験の合格率は10.4%、5月に行われた第2回は8.8%になります。

さらに短答式試験の合格者が受験できる論文式試験の2022年の合格率は40.3%です。

最終的に、2022年公認会計士試験の合格率は7.7%、最終合格者数は1,456人でした。

年齢別の合格割合

公認会計士試験を受験する年齢は、25歳前後が平均年齢です。

2022年の年齢別合格者の構成比は以下の通りで、20〜24歳の合格者数が最も多いです。

年齢 合格者構成比
~19歳 1.40%
20~24歳 63.80%
25~29歳 23.10%
30~34歳 8.00%
35~39歳 1.80%
40~44歳 1.30%
45~49歳 0.30%
50~54歳 0.10%
55~59歳 0.10%

この理由としては、学生として時間的な余裕を持って勉強に専念できる環境が考えられます。

一方、30代以降では、仕事や家庭の負担が増えることで、勉強時間が確保しにくくなるため、合格率は徐々に下がる傾向が見られます。

もちろん、30代、40代の中にも十分な努力と正しい勉強法をもって挑戦し、合格を果たす人々がいます。

年齢を重ねても、経験や持っている知識を活かし、公認会計士試験へのアプローチを工夫することで、目標達成は十分可能です。

年齢に囚われず、自身のペースと方法で挑戦することが大切です。

公認会計士資格取得の条件

公認会計士資格取得までの過程を解説したので、これを参考に、計画的に公認会計士としての一歩を踏み出してください。

資格試験の概要

公認会計士試験である短答式試験と論文式試験の2種類です。

短答式試験はマーク式で年2回、論文式試験は筆記試験で年1回と、試験形式や実施回数、試験科目が異なります。

また、短答式試験に合格しなければ論文式試験を受験できません。

短答式試験の科目は企業法、管理会計論、監査論、財務会計論の4科目です。

 論文式試験の科目は会計学(財務会計論と管理会計論)、監査論、租税法、企業法と選択科目(経済学、経営学、統計学、民法の中で、受験者が選択する1科目)の5科目です。

短答式試験と論文式試験に合格後、一般財団法人会計教育研修機構が主催する実務補習を受け、日本公認会計士協会が行っている修了考査を受けます。

その後、内閣総理大臣の確認を受けて、公認会計士資格が与えられます。

実務補習所での単位取得

公認会計士試験に合格した者は準会員となり、正式な公認会計士となるための必要な過程の1つが3年間補習所に通い単位を取得することです。

補習所では、公認会計士として働くための更なる知識を学ぶことができます。

カリキュラムの中身は講義やケーススタディ、グループワークなどを通して、実力試験やレポートを提出し、最終的に卒業試験が課されます。

実務補習所では合計270単位を取得する必要があり、1年目は最低180単位必要です。

2年目は最低40単位、3年目は最低20単位取得する必要があります。

さらに、考査試験が全10回行われており、各試験で最低40%以上の得点、10回の合計で60単位取る必要があります。

点数が規定以下ですと追試が待ち構えています。

必要な単位を取得した後は、卒業試験である修了考査を受ける必要があります。

考査に合格し、かつ3年間の実務要件を持ち、必要な手続きを済ませると正式に公認会計士の資格を得られます

資格登録のための実務要件

実務要件には「業務補助」と「実務従事」があります。

業務補助とは、監査証明業務に関して公認会計士又は監査法人を補助することです。

業務補助は、1年につき2つ以上の法人に対して、監査証明業務を行わなければなりません。

実務従事に該当するものは、財務に関する監査・分析及びその他の実務に従事することになります。

実務従事は、公認会計士法施行令第2条に規定される業務が対象です。

実務要件を満たしていない場合、公認会計士資格を取得することはできません。

修了考査合格のタイミングで実務要件も満たしているとスムーズに資格取得ができるため、実務補習所に行く期間の間に就く仕事をどうするか、しっかり検討しましょう。