税理士試験は科目数が多く、国家資格の中でも難易度の高い資格試験です。当記事では税理士の資格を目指す際の具体的な難易度や取得条件をご紹介します。ぜひ効率的な学習計画の策定に役立ててください。

この記事の目次

税理士になる難易度

税理士は安定的な需要があるため、人気の高い国家資格です。

その中で、税理士試験の難易度や自身の年齢との関連性について気になる方は多いでしょう。

こちらでは、税理士試験の合格率と、年齢別の合格割合をまとめて紹介します。

税理士試験への取り組みやタイミングの選択など、より明確な目標設定や戦略の策定に役立ててください。

税理士試験の合格率

2022年度の税理士試験合格率は19.5%です。

2022年度において同じ国家資格と比較してみると、公認会計士試験の合格率が7.7%、行政書士の合格率が12.1%になります。

他の難関資格と比べて若干合格率が高く見えますが、税理士試験は合格までにかかる年数が長くなる傾向にあり、合格まで通常5年以上かかると言われていますので、決して楽な試験ではありません。

働きながら税理士試験合格を目指す場合には、予備校や通信講座を検討し、効率よく学習を進めることをおすすめします。

2021年度の税理士試験の合格率は18.8%、2022年度は19.5%となり、合格率は年々の試験内容の難易度などによって僅かながら変動しています。

2021年度の科目ごとの合格率で見ると、会計学の簿記論の合格率は16.5%で、税法では消費税法の合格率が11.9%で最低合格率となっています。

科目を選択できることや、科目合格制度があるため、合格率を参考に効率よく合格を目指しましょう。

税理士試験の会計学(簿記論及び財務諸表論)の2科目と税法(所得税法、国税徴収法、法人税法、相続税法、住民税または事業税、消費税法または酒税法、固定資産税)から3つ選んだ全5科目すべての科目において60%を獲得すれば 、税理士試験に合格できます。

年齢別の合格割合

受験者の年齢層によって合格率には明確な違いが見られ、特に20代から30代前半が高い合格率を記録しています。以下は2022年度の合格率です。

年齢 合格割合
~25歳 30.90%
26~30歳 24.00%
31~35歳 22.20%
36~40歳 19.40%
41歳~ 11.50%

41歳以上の合格率が低くなっていますが、41歳以上の方の受験者数は10.805人、他の年齢層の受験者数は4,500人程なので、倍以上の受験者数になっていることも要因として考えられます。

一方で、41歳以上の合格者数は1,239人、他の年齢層の合格者数は1,000人前後なので、合格者数には大きな違いは見られません。

合格率は低いものの、41歳以上で合格している方は多数いるため、41歳以上で税理士試験に合格することは決して不可能ではありません。

ぜひ自身の年齢やキャリアステージを考慮しながら、受験タイミングや準備期間を計画してください。

税理士資格取得の条件

税理士資格を取得するために試験が年1回実施されます。

こちらでは資格取得までの道のりを具体的に説明するので、ぜひ計画や準備を的確に行ってください。

税理士試験の受験資格

令和4年税理士法改正によって、令和5年4月1日以降実施する税理士試験から、受験資格が変更になりました

まず、年齢や国籍による受験資格の制限はありません。

また、会計学に属する科目に対しても特別な受験資格はありません。

どなたでも受験可能です。

次に、税法に属する科目については、学識、資格、職歴などから受験資格が定められています。

受験資格者は以下のいずれかに当てはまる方です。

・大学または短大の卒業者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者 

・大学3年次以上で、かつ社会科学に属する科目を、1科目以上含む62単位以上取得した者

・一定の専修学校の課程を修了した者のうち、社会科学に属する科目について1科目以上履修した者

・司法試験合格者

・公認会計士試験において短答式試験に合格した者(ただし平成18年度以降の合格者のみ)

・日商簿記検定1級合格者

・全経簿記検定上級合格者(ただし昭和58年度以降の合格者のみ)

・法人又は、個人事業主の会計に関する事務について2年以上従事した者

・銀行・信託会社・保険会社等において、資金の貸付・運用に関する事務に2年以上従事した者

・税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者

学歴だけでなく、実務経験を基に受験資格を得ることも可能です。

特に、実務経験を活かして試験に挑戦することで、学歴に縛られずに試験へのアクセスが可能となっています。

資格登録のための実務要件

税理士試験に合格した後、実際に税理士として活動するためには、租税または会計事務のうち所定の業務に従事した2年以上の実務経験が必要です。 

なお、経験した実務を証明する在職証明書と、その裏付けである源泉徴収票か確定申告書を提出しなくてはなりません。

実務要件を満たしているかどうかは、登録申請書と在職証明書を提出後、税理士会が調査を行い判断します。

登録に関する実務経験の照会は、各都道府県の税理士会に問い合わせて確認してください。