公認会計士試験に合格するための勉強時間はどれくらい必要なのだろうと悩むことも多いでしょう。当記事では、公認会計士試験対策として学習時間や効果的な勉強方法、試験範囲について詳しく解説いたします。
この記事の目次
公認会計士試験合格のための勉強時間
公認会計士試験への取り組みは、時間管理の面での戦略が不可欠です。
こちらでは1日にどれだけ勉強するべきか、受験回数が増えると勉強時間はどう変わるのか、などの勉強時間の戦略を、具体的に紹介します。
1日の勉強時間と合格までの日数
公認会計士試験合格のための勉強時間は、一般的に約2,500〜3,500時間の学習が推奨されています。
1日5時間勉強するとした場合、少なくとも500日はかかります。
あるデータによると、公認会計士試験に一度で合格した者の勉強時間は平均3,664時間で、合格までの日数は1年半〜2年です 。
あくまで目安として参考にしてください。
受験回数による勉強時間の違い
公認会計士試験は多くの受験者が何度も挑戦する難関試験として知られています。
初回受験者は、試験の全範囲をカバーするために勉強時間を増やさなくてはなりません。
勉強期間を1年半とすると、1日の平均勉強時間の目安は約6.7時間です。
しかし、2回目、3回目と受験回数が増えるにつれて、過去の経験を活かし、弱点を補強する特訓や過去問題の反復練習に時間をシフトしていくことが可能です。
公認会計士試験に合格するまでの年数は、約1年〜4年になります。
初回の総合的な学習から、繰り返し受験するごとの特化した学習へと変化していくことを理解し、それに合わせて戦略を立てることが合格への近道となります。
勉強時間の確保
公認会計士試験に合格するためには、質の高い学習時間を確保することが不可欠です。
生活の中での優先順位をつけ、効率的な時間管理をすることで、限られた時間を最大限に活用しましょう。
また、自身の集中力のピーク時を知ることや、日常のルーチンの中で勉強を組み込むことが、質の高い学習時間の確保に繋がります。
フルタイムの仕事をしているなら、通勤時間を利用して毎日2時間の勉強を行ったり、平日の早朝の集中力のピークを活かすなど工夫をしましょう。
自身のライフスタイルや体調を理解し、最適な時間帯を見つけ、ルーチン化することで、持続的な学習を支える強固な土台を築くことができます。
公認会計士試験について
公認会計士試験は、専門的な知識と技能を持ったプロフェッショナルを育成するために厳格な合格ラインがあります。
試験の種類や、出題科目、合格率や合格基準などを総合的に理解し、試験への対策や受験の成功に向けての戦略を立てることが攻略の鍵です。
こちらでは、公認会計士試験合格に関する知識を紹介していきます。
資格取得までの試験種類
公認会計士試験の種類は短答式試験と論文式試験の2種類です。
短答式試験はマーク式、論文式試験は筆記試験と、試験形式が異なります。
また、短答式試験に合格しなければ論文式試験を受験できません。
まずは2つの試験への対策を万全にして、確実に受かる勉強をすることが大前提です。
短答式試験と論文式試験に合格後、一般財団法人会計教育研修機構が主催する実務補習を3年間受け、必要な単位を取ることで受験資格が得られる、日本公認会計士協会が行っている修了考査を受けます。
その後、内閣総理大臣の確認を受けて、公認会計士資格が与えられます。
なお、公認会計士資格を得るためには2年間の実務経験が必要なこともおさえておいてください。
試験ごとの出題科目
公認会計士試験の短答式試験は年2回実施され、科目は以下の4つです。
- 企業法
- 管理会計論
- 監査論
- 財務会計論
公認会計士試験の論文式試験の科目は会計学(財務会計論と管理会計論)、監査論、租税法、企業法と選択科目(経済学、経営学、統計学、民法の中で、受験者が選択する1科目)の5科目です。
論述式の筆記試験で、年1回実施されます。
合格率と合格基準
公認会計士試験の2022年短答式試験の実質合格率は12.1%と7.9%です。
合格基準は4科目の総点数が概ね70%を超えていることです。
ただし、1科目でも40%未満である場合は、不合格になります。
論文式試験の2022年合格率は35.8%で、合格基準は総点数の60%を基準とし、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率です。
ただし、1科目でも40%未満である場合は、不合格になります。
一点注意して欲しいこととしては、「偏差値」はあてにならないということです。
会計士論文式試験の偏差値は52になりますが、これは試験問題自体が難しく、合格者でも概ね6割くらいしか得点できないように、試験の作問者側が問題難易度を調整しているからです。
大学受験の感覚で偏差値が低いから楽勝だな、という理解をすると痛い目を見るので注意してください。