今回の「会計人ライブラリー」は、消費税と言えばこの方。熊王征秀税理士の『消費税トラブルの傾向と対策【インボイス完全対応版】』と『実務から読み解く 消費税法基本通達』の2冊をご紹介します。
『消費税トラブルの傾向と対策【インボイス完全対応版】』
熊王征秀(大原大学院大学教授・税理士)
(株式会社ぎょうせい・発売日:2024/5/16)
https://shop.gyosei.jp/products/detail/11869
『実務から読み解く 消費税法基本通達』
熊王征秀(大原大学院大学教授・税理士)
(清文社・発売日:2024/6/5)
https://store.skattsei.co.jp/book/products/view/2260
著者本人が語る本の見どころ
Q まずは『消費税トラブルの傾向と対策【インボイス完全対応版】』と、『実務から読み解く 消費税法基本通達』の紹介をお願いします。
A 『消費税トラブルの傾向と対策【インボイス完全対応版】』は、全196の実務におけるトラブル事例について、その原因と傾向を分析し、トラブル防止のための対策を検討した書籍です。
『実務から読み解く 消費税法基本通達』は、令和6年度改正通達に対応した最新版です。通達の実務上の取扱い詳細を徹底解説し、設例や計算例、トラブル事例を交えて疑問点を解き明かすよう工夫しています。
Q 単著と共著でこれまで消費税関連書籍を20冊以上執筆していますが、今回の2冊をこのタイミングで執筆したきっかけはありますか?
A 『消費税トラブルの傾向と対策』は、インボイス制度という全く新しい制度が導入されたことにより発生したトラブルと、今後トラブルが予想される事例を想定し、作成しました。
『実務から読み解く 消費税法基本通達』は、インボイス制度の導入と共に消費税法基本通達が大幅に改訂されたことに伴い、最もタイムリーかつスピーディーな書籍の発刊を目指し、準備してきたものです。
Q 『消費税トラブルの傾向と対策』は四度目の改訂になりますが、具体的にどういった点を改訂しているのでしょうか?
A 四訂にあたっては、インボイス制度に関する新たな章を設け、25題のトラブル事例を追加しました。高額特定資産、非課税取引、地方消費税の計算に関するトラブル事例を追加するとともに、既存のトラブル事例の内容を精査し、インボイス制度に対応すべく加筆改訂を加えています。
Q 『実務から読み解く 消費税法基本通達』は924ページとかなりのボリュームですが、読み終えるとどういったことが身に付くのでしょうか?
A 本書では、消費税法基本通達について単なる解説にとどめることなく、実務上の取扱いや関連するトラブル事例を紹介し、さらには通達の問題点などについても言及することとしました。通達を文理解釈だけで読むことのないように、その制定の趣旨などを視野に入れた活用方法を身に付けることを目標としています。
Q 熊王先生ご自身についても聞かせてください。まずは、税理士になったきっかけやこれまでの道のりを教えていただけますか?
A 就職試験に失敗し、資格を取るべく簿記の勉強を始めたのが税理士になったきっかけです。5科目揃えるまでに10年かかりました。
Q 執筆以外の仕事についても聞かせてください。
A 税理士業、講演、執筆活動を行っていて、収入のウエイトもほぼ均等になっています。
Q 仕事をする上でのポリシーはありますか?
A たかが税理士されど税理士。顧客に対してへりくだる必要はないが絶対に思い上がらないこと。
Q 数多くの書籍を執筆してきた中で、執筆へのモチベーションや思いはありますか?
A 雑な原稿は書かない、〆切りギリギリで書かない。
Q 税務や会計の本でなくてもよいので、熊王先生が大事にされている本と、その理由を教えてください。
A 山本守之著、『租税法の基礎理論』(税務経理協会)です。理由は、尊敬する山本守之先生のたくさんあるご著書の中でも一番感銘を受けたものだからです。
著者紹介
氏名 | 熊王征秀 |
プロフィール | 昭和59年、学校法人大原学園に税理士科物品税法の講師として入社し、在職中に酒税法、消費税法の講座を創設、平成9年独立開業。 現在、東京税理士会会員相談室委員、東京地方税理士会税法研究所研究員、日本税務会計学会委員。 [主な著書] 『四訂 不動産の取得・賃貸・譲渡・承継の消費税実務』(清文社) 『クマオーの基礎からわかる消費税【令和6年度税制改正対応版】』(清文社) 『6訂版 Q&Aでよくわかる消費税インボイス対応要点ナビ』(日本法令) 『再確認!自分でチェックしておきたい消費税の実務』(大蔵財務協会) 『消費税の納税義務者と仕入税額控除』(税務経理協会) など、他多数 |