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個人事業主は、「青色事業専従者給与」を使って上手に節税しよう!

現在の所得税法では、課税される所得金額が増えるほど、その税率が高くなる「累進課税制度」が採用されている。夫婦の総収入は、どのような考え方であっても変わらないが、個人事業主の場合は青色申告の特典にある「青色事業専従者給与」を利用することで、夫婦の課税所得金額が減り、節税が可能となる。

●青色申告の特典「青色事業専従者給与」とは

多くの個人事業主が、青色申告で確定申告をしているだろう。青色申告には特典があり、65万円や10万円を控除してもらえる、「青色申告特別控除」が有名だ。

今回利用したい特典、「青色事業専従者給与」とは、生計を一にする配偶者やほかの親族に実際支払った給与の額を、必要経費にできる制度である。所得税では原則、生計を一にする配偶者やほかの親族に支払う給与などは経費にならないが、青色申告者の場合、一定の要件を満たすと、「青色事業専従者給与」が適用できる。

青色事業専従者とは、青色申告者と生計が同じである配偶者やそのほかの親族のうち、年齢が15歳以上で、その年を通じて6カ月を超える期間、その青色申告者の営む事業に専ら従事している人をいう。ただし、事業専従者として給与の支払を受ける人は、配偶者控除や扶養控除の対象から外れてしまうため注意しておこう

●納税額が、これだけ変わる

たとえば、夫婦ふたり家族で、個人事業主である夫の課税される所得金額が500万円、妻の所得控除を基礎控除のみとした場合を見てみよう。

なお、事業所得のみの場合、税額までの計算は、

1.総収入金額-必要経費=事業所得
2.事業所得-所得控除(基礎控除や配偶者控除など)=課税所得金額
3.課税所得金額×税率-税額控除=税額

となっている。

【妻の給与が0円のとき】
夫・・・500万円[課税所得金額]×20%[税率]-2万7500[税額控除]=57万2500円
妻・・・0
合計・・・57万2500円

【妻の給与が96万円(毎月8万円)のとき】
※96万円が経費算入されるが配偶者控除がなくなる
夫・・・(500万円-96万円[妻への給与]+38万円[配偶者控除がなくなった分])[課税所得金額]×20%[税率]-42万7500円[税額控除]=45万6500円
妻・・・0円
合計・・・45万6500円

【妻の給与が240万円(毎月20万円)のとき】
※240万円が経費算入されるが配偶者控除がなくなる
夫・・・(500万円-240万円[妻への給与]+38万円[配偶者控除がなくなった分])[課税所得金額]×10%[税率]-9万7500[税額控除]=20万500円
妻・・・(240万円-90万円[給与所得控除額]-38万円[基礎控除])×5%=5万6000円
合計・・・20万500円+5万6000=25万6500円

「0円」のときと「240万円」のときとでは、31万6千円の差となり、夫婦ふたりにおける所得税の合計額が半分以下になる。妻の所得控除に社会保険料控除や生命保険料控除など、ほかの控除があれば、3の税額はより少なくなる。住民税や事業税を加味すると、その効果はさらに大きくなることが、おわかりいただけるのではないだろうか。

●青色事業専従者給与で節税しよう

青色事業専従者給与を利用するために必要なことは次の2つだ。

まず、「青色事業専従者給与に関する届出書」を、青色事業専従者の氏名、給与の額等必要事項の記載をして、管轄の税務署に提出しよう。状況により提出期限が異なるので、確認が必要だ。

そして、その届出書に記載された方法と、金額の範囲内で青色事業専従者に給与を支払おう。注意点は、その給与の額が必要以上に多いと判断された場合、その多いとされる部分が必要経費に算入されなくなることだ。

現在、家族が事業を手伝っているのに、給与の支払はしていない個人事業主は、上記2点をクリアして、ぜひ今年から「青色事業専従者給与」を使ってほしい。

著者: KaikeiZine編集部

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