会計ソフト・クラウド会計の弥生株式会社とのコラボでお届けする本連載は、毎回会計事務所代表へのインタビューを掲載します。「変化するニーズにどう対応し、事務所をどう成長させていくか」をテーマに、初回は大阪の門田会計事務所・門田知也代表にインタビュー。事務所の強みや顧客支援のための学び、今後の展望について語っていただきました。
この記事の目次
変化する顧客ニーズにどれだけ柔軟に対応できるか──。
そうした対応力が会計事務所の成長を左右する時代となっています。
弥生とのコラボレーションとなる本連載では、同社が会計事務所の代表に、時代の変化にどう向き合い、どのように対応しているのかを聞いたインタビューを毎回お届けします。
第1回目に登場するのは、大阪の門田会計事務所代表・門田知也氏です。
税理士で中小企業診断士でもある門田知也氏は、弥生PAPの「事業支援アドバイザー制度」を活用し、学びを重ねながらより価値のある顧客サポートを実現しています。
多様な顧問先のニーズに応えるため、日々新しいことに挑戦し、着実に顧客を増やしている門田氏のインタビューをどうぞ。

親孝行のためにと税理士に
■税理士を目指した理由をお聞かせください。
門田知也(以下・門田):父の事務所を継ぐためです。
最初から税理士に対する強い思いがあったわけではなく、何となく「継いだら親孝行になるかな」という感じでした。
■いまはお父様と同じ建物でそれぞれ事務所を開設されているそうですね。
門田:父のお客様に少しずつごあいさつしながら、事業承継の準備を進めているところです。
ただ最近は、ありがたいことに私の事務所のお客様が増えはじめ、そちらで手いっぱいになりつつあります。
■事務所の強みをお聞かせください。
門田:強みといえるかはわかりませんが、上場企業、医療法人、学校法人、NPO法人、協同組合など、さまざまな顧問先に対応しています。
小さな会計事務所では珍しいのではないでしょうか。
なかにはお断りしかけた話もあったのですが、「どうしても」といわれると最後は断れません。
それほど困っていらっしゃるということですからね。
また、単に私が新しいことに挑戦するのが好きだというのもあります。
最近はもう来るものは拒まずで、「何でも受け入れます」状態になっているかもしれません。
幅広い知識で顧客の相談に応えるために
■門田さんは現在、事業支援アドバイザー制度で、「財務支援」「事業承継支援」「相続支援」の3コースの認定を受けています(2024年の取材時。現在は全6コースの認定を取得済み)。まずは受講を決めた理由をお聞かせください。
門田:制度については、弥生からの案内メールで知りました。
父の代から弥生会計をメインで使っており、事業支援アドバイザー制度の前身である経営支援アドバイザーの認定も受けていたので、それが事業支援アドバイザー制度に変わると知って受講を決めました。
弥生に限らず、使用している会計ソフトの研修はなるべく受講するようにしています。
■門田さんにとって、こうした研修制度を活用される目的は何でしょうか。
門田:私はお客様の相談窓口になることが多く、さまざまな知識がなければ務まりません。
そのため、お客様から相談を受けたときに「この話、あったな」と気づけるよう勉強しています。
目次のようにポイントを押さえて知識を蓄えていけば、そのときは答えられなくても、後で調べ直して答えられるようになります。
もともと新しいことを学ぶのは好きですし、お客様からは本当にいろいろなことを質問されるんですよ。
投資について意見を求められたこともあります。
頼ってくださるからには、やはりお役に立てる存在でありたいです。
■受講された3コースは、どのような基準で選んだのですか。
門田:相談を受ける機会のあるテーマを選びました。
たとえば、相続に関する質問も受けますし、相続税申告も行うため、相続支援のテーマを選んでいます。
相続の案件はそこまで頻繁にあるわけではないので、今回の受講は相続を学ぶ良い機会になったと思います。
早速銀行の経営改善計画支援に役立ちました
■講座の内容について、感想をお願いします。
門田:知識の整理になったと感じています。
新しい内容を学ぶというより、これまで学んできた内容を整理する機会になったという感じです。
必要な知識が網羅されており、過不足なく学べるものになっていたと思います。
■受講されてみて良かった点があれば、お聞かせください。
門田:受講後も、視聴期間中であれば見直せるところが良いと感じました。
これなら相談を受けて、やはり「この話、あの講座にあったな」と思ったときにいつでも確認できます。
■具体的に、実務で役に立った事例はありますか。
門田:2024年に銀行に経営改善計画を提出するご支援を行いました。
冊子で10枚程度の書類なのですが、このときに財務支援コースのことを思い出して、主に銀行の考え方や資金繰り表に関する解説を見返してから作成したので、早速役に立っています。
今後もお客様からの相談があれば、活用していくと思います。
■財務支援コースの内容は、社内研修などにも使えそうでしょうか。
門田:時間が取れる事務所であれば、内容としては使えると思います。
税理士試験合格後からが本当の勝負
■事務所の今後の展望をお聞かせください。
門田:お客様が増えたので、事務所の人員を増やすことや、業務効率化で負担を減らすことを考えているところです。
現在職員は父の事務所と合わせて6名です。
求人情報に応募してくれる方はいるのですが、なかなか採用まで至りません。
それで、業務効率化にも目を向けはじめています。
最近は、人を増やして拡大する事務所と、逆にDX化などで小さくしていく事務所に分かれると聞きました。
それでいえば、いまうちの事務所はどっちつかずの状態です。
■仮に人を増やし、事務所を拡大するとなれば、何かやってみたいことはありますか。
門田:将来にどのような相談にも対応できるよう、専門性の高いメンバーを集めたシンクタンクのような機関を事務所内に置いてみたいです。
税理士は、税務以外のいろいろなことを顧問先から尋ねられます。
税理士試験に合格しても対応できない内容が多く、むしろ合格後が本当の勝負なのではないかと思うほどです。
もし、顧問先の相談窓口としてそうした機関を設計できれば、より便利で満足度の高いサービスができる事務所になるだろうなと思います。
門田会計事務所 https://kadota-taxconsultant.com/
設立:1992年
所在地:〒550-0002 大阪市西区江戸堀1丁目23番19号グラン・ビルド江戸堀402・905
専門スキル習得で事務所の売り上げ増に寄与!事業支援アドバイザー制度
弥生の事業支援アドバイザー制度とは、弥生PAP会員が財務支援や相続、事業承継といった分野で専門的な支援ができるスキルを習得し、税理士・会計事務所の成長をサポートすることを目的とした認定制度です。
各コースの講座を受講し、講座ごとに定められた認定条件をクリアすることで認定を受けられます。
●サービスの詳細
事業支援アドバイザー制度とは、弥生PAP会員が、財務支援や相続、事業承継といった分野で専門的な支援ができるスキルを習得し、税理士・会計事務所の成長や売上増加に寄与することを目的とした認定制度です。
この制度では、各コース(2025年4月現在:全6コース)の講座を受講し、講座ごとに定められた認定条件をクリアすることで認定を受けられます。
- コースについて
・財務支援コース
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・資金調達 金融機関コース
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