「変化するニーズにどう対応し、会計事務所をどう成長させていくか」をテーマに、会計ソフト・クラウド会計の弥生株式会社とのコラボで、事務所代表のインタビューをお届けする本連載。2回目となる今回は、大阪の山村俊洋税理士事務所・山村俊洋代表に話を聞きました。
この記事の目次
税務に関する業務にとどまらず、顧客の経営課題への対応力が会計事務所の価値を左右するいまの時代。
不動産税務や資金繰り支援に強みを持ち、顧問先の経営に寄り添っているのが大阪の山村俊洋税理士事務所です。
今回のインタビューでは、弥生株式会社の「事業支援アドバイザー制度」の「財務支援コース」を修了した代表の山村氏に、事務所経営の軌跡や集客のコツ、財務支援コースの効果についてなどうかがいました。

顧問先ゼロから独立開業へ
■税理士を目指したきっかけは?
山村俊洋(以下山村):高校生のときに簿記に出会い、仕事にしたいと思ったことがきっかけです。
大原簿記学校に入り、卒業後は3年間試験勉強に専念し、その後は働きながら勉強を続け、25歳のときに税理士試験に合格しました。
税法科目は法人税法、消費税法、相続税法で官報合格をしました。
会計事務所に勤務したあと、33歳になる2007年に顧問先がゼロの状態で開業しました。
■どのようなときに税理士になってよかったと感じますか?
山村:顧問先に感謝されたときです。
税理士は、顧問先から本当にさまざまなご相談をいただきます。
最近も顧問先がトラブルを抱えていたので、お話を聞いて状況を整理し、解決方針を示したところ、大変喜んでくださいました。
不動産の消費税還付を強みに顧問先を拡大
■事務所の強みとしている業務を教えてください。
山村:不動産業の支援を得意としています。
特に、オーナーさんが建物を建てる際の消費税の還付申告の実績が多いことは、当事務所の強みです。
不動産の消費税の還付は、法改正により急速に厳しくなっています。
法律の理解だけでなく、税務署とのやりとりや、実際に還付を受けた経験の蓄積が重要なのです。
■不動産関係の顧問先はどのくらいありますか?
山村:全体の3割ほどです。
顧問先の会社が成長するにつれて、新しいお客さまを紹介してくださるようになりました。
「税理士紹介ナビ」が集客の入り口に
■事務所全体の新規の顧問先についても、紹介で増えることが多いのでしょうか?
山村:顧問先からの紹介と、自ら営業して獲得しているのが半々くらいです。
営業については、弥生の「税理士紹介ナビ」(全国13000超の弥生 PAP会員と事業者双方が無料で利用できるマッチングサービス。事業者は「希望ニーズに強い税理士」を手間なく探せ、税理士は確度の高い新規顧問先を獲得できます)にお世話になっています。
春に事務所のホームページを変えてスマホ対応に力を入れたのですが、これが税理士紹介ナビと相性が良いようです。
税理士紹介ナビで当事務所を知ってくださったお客さまが、「どのような事務所かな」と事務所のホームページを見て、そこからお問い合わせをいただく流れができているようです。
新規のお客さまも、まずはインターネットで検索し、ホームページを見てから相談に来られるため、来所いただいた際には、“お客さまは何カ所か回って比較している”という前提で対応するようにしています。
だからこそ、最終的には事務所の営業力が重要です。
相手の話を聞いてニーズに合わせた提案ができなければ、成約に至りません。
その入り口となる問い合わせの部分を、税理士紹介ナビが提供してくれるのはありがたいです。
いまから自力でSEO対策をするのは大変ですからね。
事業支援アドバイザー制度受講で、企業経営支援に必要な基本知識を学び直し
■現在「事業支援アドバイザー制度」のなかから「財務支援コース」の認定を受けられています。そもそもなぜ「事業支援アドバイザー制度」を受講しようと思ったのでしょうか?
山村:弥生からの案内メールで、「事業支援アドバイザー制度」を知りました。
受講してみようと思ったのは、繁忙期が終わって、何かやれることがないかなとちょうど探していたからです。
こうした研修や講座は、質のよいものと粗悪なものの差が激しい印象があります。
どうせ受講するなら、「記帳代行支援サービス」なども利用しており信頼できる、弥生のサービスにしたいと思いました。
粗悪なものにあたると時間もお金もムダになりますからね。
■受講した「財務支援コース」の感想をお聞かせください。
山村:「久々に勉強した」という感じがしました。
講座の内容は、企業経営を支援するためのポイントが押さえられている、たとえばキャッシュの支援するためのポイントが押さえられていると感じました。
講座ではキャッシュフロー計算書が試験項目になっていましたが、まさに企業の財務支援にとって重要な項目です。
私としては、もう30年くらい勉強という形では向き合っていなかったので、基本に立ち返り、「こういう考え方だったなあ」と思い出していくような感じで取り組めました。
おかげで、忘れがちだったところも顧問先と話すときに出てくるようになりました。
■教材の難易度はいかがでしたか?
山村:ちょうど良いと感じています。
職員の研修にも使えると思います。
あまり難し過ぎると実務で活用しづらいですからね。
■受講をしてみて、ここは改善してほしいというところがあればぜひ教えてください。
山村:よくできているなと思います。
あえていうなら、ひとつのテーマの受講時間が1時間くらいありますが、もう少し短いとさらに利用しやすくなるかもしれません。
■ほかに興味のあるコースはありますか?
山村:相続や事業承継のコースは、時間があれば受けてみたいです。
財務支援コースのように、基本的なことを思い出すために利用したいですね。
■事務所経営の今後の展望をお聞かせください。
山村:現在の規模感が気に入っていますので、無理な事務所の拡大はいまのところ考えていません。
ただ私が今年50歳になりますので、事業承継については考えはじめています。
職員が税理士試験に合格してくれて一緒にやっていけるのが理想ですし、引き継ぎたいと思ってもらえる事務所作りをしていきたいと思っています。
山村俊洋税理士事務所
設立:2007年
所在地:〒541-0042 大阪府大阪市中央区今橋2-2-2 南都銀行大阪北浜ビル5F
専門スキル習得で事務所の売り上げ増に寄与!事業支援アドバイザー制度

弥生の事業支援アドバイザー制度とは、弥生PAP会員が財務支援や相続、事業承継といった分野で専門的な支援ができるスキルを習得し、税理士・会計事務所の成長をサポートすることを目的とした認定制度です。
各コースの講座を受講し、講座ごとに定められた認定条件をクリアすることで認定を受けられます。
●サービスの詳細
事業支援アドバイザー制度とは、弥生PAP会員が、財務支援や相続、事業承継といった分野で専門的な支援ができるスキルを習得し、税理士・会計事務所の成長や売上増加に寄与することを目的とした認定制度です。
この制度では、各コース(2025年4月現在:全6コース)の講座を受講し、講座ごとに定められた認定条件をクリアすることで認定を受けられます。
- コースについて
・財務支援コース
・相続支援コース
・事業承継支援コース
・起業開業支援コース
・資金調達 金融機関コース
・資金調達 補助金コース - 受講者:600名以上(2024年4月より提供開始)
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