ミスは中古住宅購入から即建替えのコース

事例を見ると、目立つのは、「年の途中で中古住宅の建っている土地を買って、建物を取壊し建替えするケース」でのトラブルだ。年の途中で売買により土地・家屋の名義が変わるため、すぐに家屋を取壊して建替えを始めると、次の年の1月1日の土地の名義人は前年の名義人である売主から変わった買主となっており、上記の4、5の要件を満たさない。

また、当初予定していた建替え工事の工期が延びてしまい、結局、住宅用地として認められず税負担増を強いられるケースもある。今年行われた取扱いの緩和では、計画当初から工期が長くかかることに合理性がある場合、取壊しの翌年中に工事を完了できなくても住宅用地の認定が外されることはないが、事後的に工期が延びてしまった場合には、取扱いの緩和の恩恵を受けることは出来ない。

たとえば災害等の影響で施工人材を確保できず工期が延びたケースや、当初契約した建築業者の建築基準法違反により業者の変更で工期が延びたケース(東京都裁決平成22年2月25日)で、住宅用地の認定が外されている。

最近の変わったところでは、リバースモーゲージ信託の契約で管理等を委託するため自宅を信託会社に受託していた人が、信託会社から自宅を取り戻して建替えをしたケースでトラブルになったケースがある。信託により自宅は信託会社名義になり、それを取り戻して建替えをする場合でも、中古住宅の取得した場合と同じ理屈で、住宅用地の認定が外れることになる。信託された自宅の実質的所有者は委託者と考えるのが所得税等の考え方で、名義が変わっても「譲渡」とされないが、固定資産税では、あくまで名義人が変わったことを重視する「台帳課税主義」を貫いているためこうしたトラブルが発生したものだ(東京都裁決平成28年12月13日)。

いずれも、次の1月1日が来るまでに取壊しから住宅家屋の竣工までを短期間かつ周到に実行するか、取壊しを急がず、取得してから課税当局に次の1月1日時点で取得者名義でいったん「住宅用地」と認定してもらえば、こうした問題は回避しうる。納税者としても慎重な対応が求められる。

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