国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

会計人ニュース

注目キーワード

飲食店専門税理士が指南 黒字倒産しないための飲食店経営のオキテ ~事業計画 編 ~

飲食店経営の指針となるべきものが目標=予算です。お店の業績を適切に判断し、改善活動を具体的に行うためには、目標=予算の作成が重要となります。今回は、業績管理で失敗した事例を参考に、事業計画作成のメリットと活用方法について紹介します。


店舗が増えると経営者の目が行き届かなくなる!?

都内で焼肉店4店舗を経営しているGさんは、新店舗の出店をするにつれ自身が現場に出る機会が減り、毎月の店舗ごとの収支実績だけを見ていると店舗が好調なのか不調なのかを判断できなくなってきていました。また店長達が自店舗の業績に対してどこか他人事のように受け取っており、改善行動につながっていないことについても悩んでいました。

経営者の目が行き届かなくなるといわれている3店舗以上の店舗経営をする場合、経営管理の仕組みづくりの重要性が増してきます。とくにお店の業績を適切に判断するためには、事業計画の作成が重要です。経営者、店長、スタッフ、いずれの立場であっても、その年、その月、その週、その日のお店の経営状況の良し悪しを判断する場合、頭の中で必ず何かと比較して判断しています。

ほとんどの場合は前年対比、前月対比など、過去の業績と比較して判断をしていますが、過去との比較だけでは経営状況を適切に判断することはできません。なぜなら過去の業績には、その年、その月、その週、その日だけの突発的な事象が必ず含まれているからです。

また、過去との比較は結果を判断する場合に使うケースがほとんどです。事前に目標があってこそ、それを達成するための計画的な行動ができます。目標がない場合は、どうしても場当たり的な行動になってしまう傾向が強いのです。

事業計画の作成が繁盛店への第一歩

その後Gさんは、店長と一緒に店舗ごとの月間および年間の事業計画を作成しました。各店舗の月別の目標売上、原価率、人件費率、営業利益などを明確に設定し、達成するための行動計画を作成することで、店舗ごとに目指すべき目標が具体的になりました。

日本政策金融公庫が実施した「飲食店の経営実態調査」によると、黒字企業の特徴の一つとして、「目標売上・利益を設定する」ことが公表されています。

<目標売上、利益の設定の状況>
・収支プラス企業のうち、71.3%の企業が事業計画を作成している
・収支ほぼ均衡の企業のうち、50.6%の企業が事業計画を作成している
・収支マイナスの企業のうち、42.3%の企業しか事業計画を作成していない

黒字企業と赤字企業では事業計画作成の有無に明確な差があり、黒字企業になるためには具体的な目標設定が重要であるといえます。

繁盛店になるための第一歩は事業計画から!各店舗の目標を数値として明確化することが重要です。

著者: 水野剛志

Credo税理士法人代表/税理士・経営コンサルタント

富山県出身で醤油屋の次男として誕生。慶應義塾大学商学部卒業後、税理士法人山田&パートナーズ、アビームコンサルティング(株)、OAG税理士法人/㈱OAGコンサルティングを経てCredo税理士法人/Credoコンサルティング事務所を設立。飲食店を専門に開業支援や多店舗展開支援を年間50件以上実施するなど、財務戦略に基づいた飲食店の繁盛店の仕組みづくりに強みを持つ。
■Credo税理士法人
http://credo-tax.com

ページ先頭へ