飲食店は社員に比べてアルバイトの人数が圧倒的に多く、人の入替えが多いため、店舗運営を教育で完全にカバーするのは難しいという特徴があります。今回は、レジ業務で失敗した事例を参考にクラウドを活用した店舗運営のポイントを紹介します。

間違いは許されない!レジ業務は店舗運営の生命線!
神奈川県で居酒屋を3店舗経営しているJさんは、人手不足に悩んでおり、現在、各店舗は社員1名と残りはアルバイトの体制となっています。社員は厨房に入ることが多く、レジ業務についてはアルバイトを中心に行っているのですが、最近、アルバイトのメンバーが一気に入れ替わったこともあり、クレジットカード決済の際にアルバイトがクレジットカード決済端末へ桁数を間違えて入力してしまい大クレームになってしまいました。
飲食店を運営する上で難しいのは、店舗を運営するには多くの人が必要になり、その大部分がアルバイトで構成されているという点です。社員がアルバイトに対して日ごろから時間をかけて教育していたとしても、アルバイトのメンバーが一気に入れ替わった際には、どうしても教育だけでは追いつかなくなります。事例のようにアルバイトがクレジットカードの決済の際の金額を間違えることはたまに起こりますし、大事故になる可能性が高いところです。
「手入力の壁」を破るクラウド経営
その後Jさんは、各店舗にモバイルクレジットカード決済端末の楽天ペイを導入し、店舗のクラウドPOSレジとデータ連携を実現しました。これにより、レジでの決済情報がクレジットカード決済に自動連携されるため、クレジットカード決済側での入力が不要となり、クレジットカード決済端末での入力誤りの問題がなくなりました。
クラウドの特徴として、データ連携が簡単であることがあります。データはクラウド上にあるため、レジとクレジットカード決済、会計、予約台帳などのデータ連携が可能になります。これにより、それぞれで二重入力していたことが一度の入力でよくなります。アルバイトが多い飲食店こそ、データ連携を活用して、業務の効率性だけでなく、正確性を上げるというのも魅力です。また接客のクオリティーをあげるという点では、「トレタ」などの予約台帳システムとレジのデータ連携が進むことで、予約台帳システムの顧客情報にレジでのお客様の注文情報を蓄積することができるので、これを活かして常連さんへの接客のクオリティーアップにつなげることができます。
ここで注意が必要なのは、レジ、クレジットカード決済端末や予約台帳のシステムはすべての機種でデータ連携ができるわけではなく、データ連携できる機種が限定されていることです。軽減税率対策補助金によりレジの買替えの検討が進む今だからこそ各種システムとのデータ連携機能の状況についても確認しておくことをオススメします。なおクラウド型以外のシステムでも同じようにデータ連携が行えますが、対応機種が少ない、初期費用が高い、設定が難しい等の特徴があるため、データ連携面ではやはりクラウド型の方が優れているといえます。
<飲食店で多く導入されているモバイルクレジットカード決済端末とデータ連携が可能なクラウドPOSレジ>
①楽天ペイ
・スマレジ、Ubiregi、POS+、poscube、Orange Operation、bionly
②Square
・スマレジ、Ubiregi、Airレジ、poscube、Orange Operation
※2017年11月17日時点の連携状況
クラウドによるデータ連携を活かした仕組みを作ることで飲食店ビジネスの『アルバイトの壁』を破ることができ、業務品質のアップとスピードアップが可能となります。