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“税界”の裏話 確定申告 留学中に病院にお世話になった医療費の控除

年末となり、来年の確定申告に向けた出版物も増えてくるころだが、確定申告では、医療費控除について迷うことも少なくない。最近では、子どもが外国に留学しているケースも少なくなく、留学先での医療費などに関して、どう処理すればよいのか気になるところだ。

中学時代の友人から、息子さんの海外留学中の現地病院での治療費について、来年の確定申告で医療費控除の対象になるのか相談を受けた。息子さんは、今年から留学しているのだが、現地で怪我をして病院で治療を受けたという。かなりの医療費が掛かかり、家族全体では年間20万円を越えたので、確定申告で医療費控除の還付を受けたいとのこと。気になっていることは、息子さんの治療場所が「海外」と言うことで、医療費控除が受けられるのかという点だ。というのも、医療費控除の対象になるのが「生計を一」にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合において、「その年分に支払った医療費の合計額を一定の計算により算定した金額について、その年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額から控除できるもの」との規定が所得税法に記載されているためだ。

医療費控除が認められる医療費の考え方については、所得税法73条1に「医師又は歯科医師による診察又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるもの」と規定されている。この文面から読めるのは、治療の場所を制限していないこと。つまり、病院での治療であり、医師が行う通常の治療と変わりがなければ、医療費の範囲に該当し、医療費控除の適用は可能ということだ。

この友人のケースでは、もう一点、医療費は現地通貨で支払ったので、円換算するときのレートは何時の時点か聞かれた。海外でのやり取りでよくある質問だが、申告する場合、医療費の支払いも「外貨建取引」となるため、支払った日のいわゆる「電信売買相場の仲値」によって円換算する必要があると伝えた。

最近では、子どもを留学させたいとする親も増えてきた。生活環境の変化で、病院にお世話になるケースも少なくないだけに、こうした税金の豆知識は、広く知っておきたいものだ。


 
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著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
■税と経営の顧問団租税調査研究会
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