年末となり、来年の確定申告に向け準備を進めている人も少なくないだろう。来年から医療費控除を受ける場合、医療費の領収書の提出は不要だが、それに代わって提出する書類がある。さらに、来年の確定申告からは、セルフメディケーション税制の適用も開始する。医療費控除かセルフメディケーション税制か、適用を受ける場合の注意点をまとめてみた。

来年の確定申告から、医療費控除の適用に不可欠だった医療費の領収書の提出が不要になった。面倒な作業がなくなったことは良いが、それに代わって「医療費控除の明細書」を作成し申告書に添付しなければならないことを知っている人は意外に少ない。
友人と話していたら、「記入するための明細書は、税務署に取りにいかなくてはいけないの?」と噛み付いてきたが、国税庁ホームページからダウンロードできることを教えてあげた。また、国税庁ホームページに設けられている確定申告書作成コーナーでも作成できると伝えたら、「結構便利になったんだ」と納得した様子。「明細書の代わりに保険組合等が発行する『医療費に関するお知らせ』などの医療費通知を添付してもかまわないよ」と伝えると、「以前は駄目だったのに、時代が変われば制度も変わるもんだね」と妙に納得していた。
友人との話はセルフメディケーション税制にも及んだが、友人いわく、適用手続き等がいまいち分からないとのことだった。
セルフメディケーション税制の適用を受けるには、29年中に健康保持増進のための一定の取り組みを行っていることがハードルになるが、要件をクリアしていれば、医療品購入費の領収書の添付の代わりに『セルフメディケーション税制の明細書』の提出が不可欠になる。この明細書も国税庁ホームページでダウンロードできるほか、同ホームページで簡単に作成できるので、適用を考えているのなら一度確認するとよい。
とはいうものの、ハードルをクリアしているのか判断するのは素人には難しいとお考えであれば、東京国税局では「セルフメディケーション税制適用チェックシート」なるものを作成、ホームページで提供しているとのこと。こちらは、東京国税局のホームページで提供されている。
課税当局から便利なツールが用意されているのだが、毎度告知がいまいち。「広報活動」ではなく、「宣伝活動」に意識を変えてもらい、もっと積極的なアピール活動に期待したい。