厚生労働省の調べでは、2016年の日本人の平均寿命は女性87.14歳、男性80.98歳で、いずれも過去最高を更新したそうだ。前年に比べ女性が0.15歳、男性は0.23歳延びたというが、税理士業界の平均寿命は世間一般より長いのだろうか、短いのだろうか・・・

税理士向け業界紙の編集長だったころ、毎年、お盆の時期になると、税理士の平均寿命についての記事を特集していた。
業界紙では毎号、税理士の死亡年齢、死亡月日、死因を掲載していので、そのデータをもとに分析していたのだが、調べてみると興味深いことが分かった。
2005年ごろのデータなので、今とは多少状況は異なるかもしれないが、当時の税理士の平均寿命は、厚生労働省が発表する日本人の平均寿命より短かったのを覚えている。2005年当時の日本人の平均寿命は、男性が78歳ぐらい、女性が85歳前後だったが、男性、女性ともに5~6歳短かく、およそ男性が72歳、女性が80歳ぐらいだったと記憶している。
ちなみに、2017年7月に厚生労働省が発表した2016年の日本人の平均寿命は、男性が80.98歳で女性が87.14歳と共に世界比較で香港に次いで2位となっている。10年ちょっとだが、日本人の平均寿命は2歳も伸びたわけだ。
「突然なぜ、こんな縁起の悪い話題を」と思われた方もいると思うが、実は確定申告と絡んでくるのだ。
税理士の死亡時期を見ていくと、毎年4月が最も多く、確定申告明けごろが要注意だった。医師に月別の死亡データを見せると、「確定申告の繁忙期で疲れがたまり、気が抜けた4月ごろに体調を崩すのだろう。とくに、季節の変わり目ということも体調を崩しやすい原因のひとつだ」と分析してくれた。
ちなみに、8月、9月も多かった。こちらは、「夏の暑さが体力を奪うためだろう」との指摘だった。
ちなみに、死因で多かったのは「心疾患」「脳血管疾患」で、厚生労働省が発表する60歳以上に多い死因と変わらなかったと記憶している。
税理士の平均年齢は、62~63歳ぐらいといわれる。地方になると、70歳を超えるところも少なくない。この数年、夏の猛暑が体にこたえるが、高齢化が顕著な税理士業界だけにくれぐれも体調には気をつけてほしい。