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“税界”の裏話 税から見たら大人よりも子どものうちに 子どもの歯の矯正は医療費控除の対象

平成29年も残すところあと3カ月。年が明ければ確定申告シーズンだが、医療費控除については十分に活用されていないことが多いようだ。意外に知らないのが、歯並びが悪い人が行う歯の矯正。歯の矯正には意外にお金が掛かるが、実は子どものうちにしておけば、医療費控除の対象になるのだ。

同級生と定期的に飲みに行くことがあるが、子どもの歯並びが話題になった。その友人は、次女が小学生で歯並びが気になるお年頃になってきたというのだ。小学生だけでなく成人した女性でも歯並びを気にして矯正している人をたまに見かけるが、歯科医によると、早いうちに矯正しておいたほうがよいという。

とはいうものの、矯正には、かなりの費用がかかり、小児矯正でも30万円~60万円程度というのが一般的なようだ。それに矯正は、一部の外科矯正を除き、基本的には全て保険外の治療。丸々実費負担となるのだ。ちなみに、成人矯正になると、料金は子どもの倍近く高くなる。

友人は、費用面を含めて今矯正するのか検討しているようだったが、「子どものうちなら医療費控除の対象になる」と教えてあげた。すると、「でも、医療費控除は病気の治療が対称で、予防的なものには適用にならないんじゃないの。インフルエンザの予防接種だって対象外って言ってたじゃない」と指摘してきた。

そこで、スマートフォンで国税庁のホームページにアクセス。「タックスアンサー」ページの所得税の項目にある「医療費を支払ったとき」の中の「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」を開いて見せた。

その中の「2、歯の治療に伴う一般的な費用が医療費控除の対象となるかの判断」というところには、こう書かれている。

「(2) 発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、歯列矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などからみて歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象になります。しかし、同じ歯列矯正でも、容ぼうを美化するための費用は、医療費控除の対象になりません」

つまり、子どものうちの矯正なら、医療費控除として確定申告してOKということだ。

これを読んだ友人「子どものうちに矯正しておけば、噛み合わせによる健康問題など、将来のためになるし、節税効果もあるなら早いほうがいいね」と、早いうちの矯正を奥さんと相談すると言っていた。

友人と話していて気が付いたのだが、意外に子どもの歯の矯正が、医療費控除の対象になるということを知らない人はいまだに多いということ。税の世界で仕事をしていると、かなり知れ渡っているものと思っていたが、矯正して確定申告しない人も少なくないようだ。これこそ、国もお墨付きの節税なのに活用しないのはもったいない。
    

著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
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