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飲食店専門税理士が指南 黒字倒産しないための飲食店経営のオキテ ~クラウド経営① 編 ~

飲食店は店舗数が増えれば増えるほど、場所が離れているので、管理しにくくなるという特徴があります。今回は、経営管理で失敗した事例を参考にクラウドを活用した経営管理のポイントを紹介します。

店舗が増えると目が行き届かなくなる?

都内と那須でカフェを2店舗経営しているIさんは、2週間ごとに都内と那須を往復してなんとか店舗の営業状況を把握していました。各店舗の店長から毎日、営業日報をメールにて送るルールにしているものの、送られて来ない日があったり、日報の記載が間違っていたりして、店舗の営業状況が分からず悩んでいました。

飲食店の経営管理を行う上で一番ネックになるのは店舗ビジネスであるということです。つまり、店舗数が増えれば増えるほど、場所が離れているので、管理しにくくなるという特徴があります。とくに3店舗以上になると経営者の目が行き届かなくなるといわれています。従来からの人が行うメール、ファックス、電話などの報告では漏れやミス、タイミングが遅い、商品ごとの出数などの詳細な情報までは分からない等の欠点があり、飲食店の経営管理が難しい大きな要因となっていました。

飲食店の「ブラックボックス」を破るクラウド経営

その後Iさんは、各店舗にクラウドPOSレジを導入しました。これにより、離れた場所にいてもスマートフォンやi-padからリアルタイムで各店舗の営業状況を売上金額だけでなく、注文内容まで把握することができるようになりました。

クラウドによるテクノロジーを使えば、離れた場所にいてもデータはクラウド上にあるため、リアルタイムで全員が同じ情報を共有することが可能となります。そのため、今まで店長が報告していた営業情報や報告できていなかった商品ごとの出数などの詳細情報までお店のデータをリアルタイムで社長が共有できるようになり、離れていてもお店の営業情報をいつでも把握することができます。さらにクラウドPOSレジは従来のPOSレジよりもメニュー設定などが簡単であるため、売上と粗利によるクロスABC分析を行うことで、商品戦略を見直すことに活用できます。

<クロスABC分析による商品戦略>
① 売上が高く、粗利も高い商品・・・ドル箱の商品  → 看板商品として目立たせ、
更に売る
② 売上は高いが、粗利が低い商品・・・利益貢献度の低い商品 → 集客商品として残す、
単価を上げる、原価を下げる
③ 売上は低いが、粗利が高い商品・・育てるべき商品 → メニューブック等で目立たせ
もっと売る
④ 売上は低く、粗利も低い商品・・・死に筋の商品 → メニューから削る、内容を見直す

またクラウドPOSレジの他にも「トレタ」などの予約台帳を導入することで、他店舗の予約状況もリアルタイムで把握できるため、自店舗の予約が埋まっている場合も、その場で他店舗の予約状況を確認し、他店舗へ誘導することができ売上アップに繋げることが可能になります。ドミナントで出店している場合にはとくに有効です。

飲食店の経営管理を変えるクラウド経営!クラウドを活用することで店舗ビジネスの宿命とも呼べる『場所の壁』を破り、どこでもリアルタイムの情報共有を実現し、店舗が増えても経営者の目が行き届くようになります。

著者: 水野剛志

Credo税理士法人代表/税理士・経営コンサルタント

富山県出身で醤油屋の次男として誕生。慶應義塾大学商学部卒業後、税理士法人山田&パートナーズ、アビームコンサルティング(株)、OAG税理士法人/㈱OAGコンサルティングを経てCredo税理士法人/Credoコンサルティング事務所を設立。飲食店を専門に開業支援や多店舗展開支援を年間50件以上実施するなど、財務戦略に基づいた飲食店の繁盛店の仕組みづくりに強みを持つ。
■Credo税理士法人
http://credo-tax.com

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