お店の業績を適切に判断し、改善活動を具体的に行うためには、目標=予算の作成が重要となりますが、事業計画を作成しただけで活用しきれていない会社が多くあります。今回は、予算管理で失敗した事例を参考に、予算管理のポイントを紹介します。
予算の管理が店舗運営の肝!?
千葉で居酒屋4店舗を経営しているHさんは、先輩経営者の助言のもと店舗ごとの月別予算計画を作成しました。月別の予算計画と実績を比較することで、確かに業績を判断しやすくなったのですが、苦労して作った割には、店長を含め現場のスタッフ達には今一ピンときていないようです。どうしたら現場のスタッフ達に活用してもらえるのか悩んでいました。
予算計画の作成といえば、ほとんどの人が年度予算と月別予算をイメージすると思います。製造業などの場合はそれでも問題ありません。
しかしながら、経営環境の変化が圧倒的に早く、かつ、人材のほとんどがアルバイトで成り立つ飲食店においては、年度予算や月別予算で計画すると遅い、且つ、難しいため、現場のスタッフは活用できないのです。飲食店の場合、日次レベルで、分かりやすい目標を作成する必要があります。
飲食店の予算管理を効果的に行うためには
その後Hさんは、月別予算のうち、重要指標としている売上と人時売上について曜日ごとに目標数値に落とし込み、日報によって日ごとに目標と実績の管理を行うようにしました。これにより、現場のスタッフが日々の売上に対して意識を持つようになり、積極的にお客様に「ドリンクもう1杯の提案」などを行ってくれるようになり、お店の業績が向上しました。
飲食店が予算管理をする場合は、営業日報をうまく活用する必要があります。営業日報にその日の目標売上や人時売上といった重要指標を落としこんで管理することが重要です。どの指標を管理していくかは会社によって変わると思いますが、現場のスタッフを巻き込んで行くには、最低限、その日の売上目標を持つことが重要です。
会社によっては、その日の目標売上を達成した店舗には、その日に出勤したスタッフ全員に売上達成手当を出している会社もあります。その日の目標を掲げ、それをスタッフ全員で共有し、達成すれば報われる仕組みを作ることにより、現場のスタッフの店舗運営への参加意識が高まるのです。
飲食店の利益アップの基本は予算管理から!スタッフ全員で共有し、行動に移せるよう具体的な目標に落とし込むことが重要です。