国税の世界には「実調率」という言葉がある。法人数に対する税務調査件数の割合のこと。最新の実調率は3.1%。30年に一度しか調査が入らないということを意味する。

国税の世界には「実調率」という言葉がある。

法人数に対する税務調査件数の割合のこと。
最新の実調率は3.1%。
30年に一度しか調査が入らないということを意味する。

税務調査は最大7年までしか遡れないので
申告漏れが見つかっても更正されるのは過去7年分まで。
残り23年分は「お咎めナシ」ということになる。

ホンマカイナ???

念のため国税庁のお偉いさんに聞いてみたら
苦虫を噛み潰したような顔で答えてくれた。
「数字上は、そういうことになるね…」

国税庁のまとめによると、平成28事務年度に実施した法人税調査は9万7千件。
前年対比は3.5%増。

平成24事務年度に突然ガクッと落ち込んで以来ずっと前年を割り込んでいたのだが、久しぶりにプラスに転じた。
落ち込んでいた最大の原因は、ご存知、国税通則法の改正だ。

平成23年度税制改正で税務調査手続きが大幅に見直され
平成25年1月から税務調査の事前通知やら調査終了時の手続きやらが法定化。
「理由附記」の対象も大幅に拡大した。

更正処分などの通知に「こういう理由で処分するんですよ」
と具体的に処分理由を記す理由付記は、以前は青色申告の〝特典〟だったが、
改正によりすべての納税者が対象になった。

加算税の賦課決定などはそもそも理由付記の対象外だったが、これも対象に含まれた。
当然、税務調査シーンは一変。

「1回の調査で作成する書類の数が急に増えてめっちゃ大変になった」(調査官)。
現場の調査官が書いた書類を直属の上司がチェックし、
それをそのまた上司がチェックし、何度も修正が加えられて、
最終的な決済が下りるまで膨大な時間がかかる。

調査官を対象に改正通則法の研修が行われたが、
その研修に時間が割かれて調査の実働人数が減るという二重苦も。

背景には「公務員の定数削減」というシビアな現実もあった。

ここへきてようやく実地調査件数がプラスに転じたわけだが、
法人数も増えているので実調率は3.1%と依然として低調だ。

世の社長にとっては朗報だが、件のお偉いさん曰く
「過去に申告漏れがあった会社は継続管理されているから〝30年に一度〟というわけにはいかない」
「好況業種や海外取引のある会社なんかは重点調査対象になっている」

なるほど、そういうことか。
世の社長さんたち、くれぐれも数字に騙されないようご注意を。


最新記事はKaikeiZine公式SNSで随時お知らせします。

Xロゴ画像


 

KaikeiZineは会計プロフェッショナルの活躍を応援するキャリアマガジンです。インタビューや取材を通じての情報発信をご希望の方はお問合せください。
取材・掲載は無料です。
お問合せはこちら