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飲食店専門税理士が指南 創業(3年)で倒産しないために…!知っておきたい開業準備のオキテ ~開業資金編 ~

水野先生の好評連載「飲食店専門税理士が指南する●●のオキテ」シリーズの続編がスタートです。新規に飲食店を開業した個店の約7割~8割が3年以内に閉店に追い込まれていると言われています。この最大の理由は、創業期は経営が軌道に乗るまでに時間を要するのに、それまでの資金がもたないためです。そこで当連載では、これまで目の当たりにしてきた飲食店の開業準備ドラマ・試行錯誤の様子を紹介します。初回は開業準備の要の「開業資金」についてです。

開業資金としていくら必要なのかをどうやって算出すればよい!?

都内で居酒屋を開業希望のLさんは、目標である居酒屋を出店するためにいくら必要なのかを検討しました。店舗運営についての自信はあるものの、お店作りは今回が初めてのため全く見当がつかず悩んでいました。

飲食店の開業には少なくとも1千万円ほどかかると言われています。開業資金の検討に漏れや誤りがあった場合には開業後に致命的なダメージを負うことになってしまうため、開業資金を考える際には下記の項目に分解することにより算出することが必要です。それぞれの項目について内訳 (例:物件取得費だと、保証金、礼金、仲介手数料、前家賃など)の具体的な数値を導きだし、開業資金としていくら必要なのかを具体的に算定することが重要です。

開業資金=物件取得費+店舗造作費+運転資金☓3カ月分(最低2カ月分)

  • 店舗造作費には、内装費用と厨房機器費用が含まれておりますのですで、それぞれ別項目に分解して計算して頂いても大丈夫です。

 

<開業資金に具体的な目安>

・物件取得費 :家賃の10~17月
・保証金 (家賃の6~10カ月分)
・礼金 (家賃の1~3カ月分)
・前家賃 (家賃の1カ月分)
・仲介手数料 (家賃の1~2カ分)
・保証会社への保証料 (家賃の1カ月分)

 

②店舗造作費 :坪数×坪単価

・スケルトンの場合は1坪60万
・居抜きの場合は1坪10万~30万

 

③運転資金  :毎月発生する経費の3カ月分(最低でも2カ月分)

運転資金の確保が成功の要否を決める

その後Lさんは、開業資金を各項目に分けて具体的に算出しました。これにより開業資金と資金としていくら必要なのかを把握することでき、計画的に資金調達を行うことにより、お店が軌道に乗るまでの資金不足を回避することができました。

飲食店の運営には仕入れ、人件費、家賃、水道光熱費、広告費などの経費が必ず発生致します。通常は売上金にてその経費を支払いますが、開業当初は売上が安定しないので、不足分を補うための運転資金を用意しておく必要があります。日本政策金融公庫が公表している調査によると、約6割超の飲食店が軌道に乗せるために半年(6カ月)以上かかっています。

しかし、運転資金を用意せず開業してしまうと、開業後に想定の売上がとれない場合、すぐに資金繰りが厳しくなります。経費を切り詰めすぎると、商品、サービスとも以前の水準を維持できなくなり、結果としてお客満足度の低下に繋がります。また、日々の資金繰りの不安が大きくなり、店舗運営に集中できなくなってしまいます。

開業当初の飲食店経営で一番多い失敗例としては、運転資金をほとんど用意せず営業してしまい、上記のような悪循環に陥ってしまうことです。これらを避けるためにも、運転資金は3カ月分(最低でも2カ月分)を用意しておくことをお勧めいたします。

飲食店開業の第一歩は開業資金から!お店の開業にいくら必要なのかをしっかり把握することが重要です。

著者: 水野剛志

Credo税理士法人代表/税理士・経営コンサルタント

富山県出身で醤油屋の次男として誕生。慶應義塾大学商学部卒業後、税理士法人山田&パートナーズ、アビームコンサルティング(株)、OAG税理士法人/㈱OAGコンサルティングを経てCredo税理士法人/Credoコンサルティング事務所を設立。飲食店を専門に開業支援や多店舗展開支援を年間50件以上実施するなど、財務戦略に基づいた飲食店の繁盛店の仕組みづくりに強みを持つ。
■Credo税理士法人
http://credo-tax.com

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