開業当初(2年半前)は、顧問先ゼロからのスタートでした。そこから少しずつご紹介でお客様が増えていき、今では約20件弱の顧問先を抱えています。決して速い展開ではありませんが、これまでどのように顧問先が増えてきたかをお話したいと思います。
開業当初は仕事が少なく、先輩の税理士事務所のお手伝いをしたり、友達とのランチや、久しぶりに過ごす子どもとの昼間の時間を楽しんだりしていました。私は事務所も借りず、人も雇っていないため、固定費は、会計・税務ソフトの月額料と税理士会の会費くらいと少なく、そんな状況でも焦りは全くありませんでした。
最初の顧問先が決まったのは、友人2人(それぞれ別の友人)が、「自分の会社の顧問になって欲しい」と言ってくれたのが、きっかけでした。開業した翌月のことでした。初めて作成した顧問契約書に自分で印を押し、相手にも押してもらって「改めてよろしくお願いします」なんて挨拶をしたとき、なんだか感動したのを覚えています。
そのうち徐々に、私が開業していることが知人に広まると、ご紹介をいただくことが増えてきました。士業仲間からの紹介もあり、逆に私の方から士業仲間をお客様にご紹介することもありました。横のつながりがあることは非常に心強いです。この横のつながりは、開業を全く考えていなかった勤務時代からの「勉強会(を通しての飲み友達(笑))」や「ママ士業の輪」で出会った仲間です。
顧問先拡大のために特段行動していなかったこともあり、最初のころの顧問先の増え方はとてもゆるやかなものでした。でも顧問先が少しずつ増えていくと、ご紹介をして下さる方も増えるので、顧問先数とご紹介数は比例ではなく、それ以上になると思います。ご紹介いただいたらご連絡を取り、一度お話をお伺いします。でも残念ながら契約に至らないことも何度かありました。顧問料を他事務所と比べて、そのくらい安い金額にならないかとお願いされたり、納税意識がものすごく低くて、適当に会社に有利になるように経理して欲しいようだったり……。金額や相性は、最初に違和感があれば、その後いい方に変わることはあまりないと思っているので、お互いのためにも合う先と顧問契約した方が幸せだと思い、そのような場合には、ご説明のうえご納得いただいて契約には至りません。でも大抵は、お客様の経営理念に私の方が感動して、「ぜひ一緒に事業を見ていきたい」と思い、契約となります。
当初は、士業仲間や顧問先からの紹介で顧問契約に至ることがほとんどだったので、今後もそうだと思っていたのですが、最近になってママ友(子供の小中学校の保護者)からのご紹介もいくつかありました。そのママ友の知人経営者が、誰か税理士がいないかというような話になったときに、私のことを思い出してお話してくれたみたいです。それは、普段からFacebookやブログをアップしているのをなんとなく見てくれているからかなーと思います。そう考えると、全く仕事とは無関係なお付き合いと思っている人にも、仕事の様子をお知らせしていてよかったなと思います。
また、これまでにブログからのお問い合わせもありました。このブログは主に税理士受験生向けのもので、集客用とは言えず、税務についても書いていないのですが、それでも書き続けることで、税理士としての活動や私という人間の雰囲気が気になってお問い合わせいただけるのはとても有難いです。
それから、顧問先が増えるにつれ、数だけではなく、その業種や規模も大きくなってきました。売上が(それまでは数千万円規模のところだけだったのが)数億円規模のところや、従業員数が(それまでは0~数名のところだけだったのが)数十人の先など。顧問先からの質問も、すぐにはお答えできずに調べてからお答えするような難易度が高い相談もくるようになってきました。
形態としては、株式会社以外にもNPO法人や一般社団法人、合同会社も複数あります。業種は特に何かに特化しているわけではなく、飲食、美容、コンサル、IT、医療系などさまざまです。
顧問先が増えると、毎月のご訪問日数が増え(毎月ご訪問していない先もありますが)、決算の数が増え、そしてこの時期、年末調整や法定調書、償却資産申告書など…が増えてくるので、去年より増えた今年は、実はこれを書きながら少しドキドキしています(笑)。どの顧問先にも言えることなのですが、1回目は、やってみないと何があるか分からないので、緊張します。2~3年やるとだいたい把握できるのですが。
私は2年半前に開業したとき、顧問先1件1件にきちんと向き合いたいこと、セミナーや執筆、取材等のご依頼があったときにすぐに対応できるようにしていたいこと、従業員を雇わず一人でやっていくことなどから、10件の顧問契約を目標としていました。開業から1年半ほどで10件くらいになり、それは決して速くないですが、自分としては満足していました。とはいえ、そこからもご紹介があれば嬉しいですし、少しずつ自分の手際もよくなってきたので余裕はまだあると思い、対応しています。今後の課題は、いかに既存の顧問先と手厚くお付き合いしつつ、どこまで新規先を増やすかのバランスです。今はまだ通常期は余裕があるものの、繁忙期はどうなるのかドキドキしつつ、「体調万全にして乗り切ろう!」と思っています。