暴力団VS課税当局

さて「没収」するにしても、暴力団など、危険な組織に対して誰が摘発するのか、現実的に考えるとハードルは高い。厚生労働省所轄地方厚生局麻薬取締部及び警視庁の組織犯罪対策部もしくは所轄県警の捜査4課と筆者の古巣である国税庁各所轄国税局の合同捜査チーム位の陣容が必要かもしれない。政府筋からの強い押しでもない限り合同捜査は難しい。
こうした捜査で国税職員ができること、ひとえに捜査端緒発見に尽きる。ちなみに宅配便を使った覚醒剤のデリバリーシステムに使用される他人名義銀行口座の「逆L(エル)型」特徴を嗅ぎ分けられるのは国税職員だけだと思う。

アメリカの禁酒法時代の裏の世界を映画化した「アンタッチャブル」。マフィアのボス、アルカポネは、殺人などの犯罪を繰り返したが、警察官を買収するなどして殺人罪で起訴するのが極めて困難だったが、財務省酒類取締官(一時法務省移管)エリオット・ネスが禁酒法違反という国税サイドからの捜査を行い、IRS(米国内国歳入庁)が脱税犯として摘発した。
現金主義で銀行口座を持たなかったカポネの賭場での収入帳簿を発見し、記載した人物の法廷証言依頼を端緒に11年の懲役が決定。アルカトラズ刑務所に収監されたカポネは持病の梅毒が悪化し、1947年48歳で死亡した。今回の清原事件も、同様の終息をみるのか違う視点でも注目だ。個人的には、最後には清原容疑者が覚醒剤依存症を克服し、自分の子供とももう一度会えるようになる、ハッピーエンドを願ってやまない。

 

KaikeiZineは会計プロフェッショナルの活躍を応援するキャリアマガジンです。インタビューや取材を通じての情報発信をご希望の方はお問合せください。
取材・掲載は無料です。
お問合せはこちら