申告時の注意点

医療費控除のため領収書をまとめると、病院で支払った費用は領収書が出されるが、交通費といった通院費用については、いちいち駅等で領収書をもらうのが面倒だったり、貰えなかったこともある。その際は、家計簿などにしっかり記録するなどして実際にかかった費用について明確に説明できるように準備しておけば問題ない。
また、前記の説明のように、各種保険による補填や自治体等の助成金がある場合は、その金額を医療費から差し引く必要があるため、健康保険組合や共済組合などから支給される出産育児一時金や家族出産育児一時金又は、出産費や配偶者出産費などは、医療費控除の額を計算する際に医療費から差し引いて計算する。しかし、出産の前後の一定期間勤務できないことに基因して、健康保険法等の規定により給付される出産手当金に関しては、医療費を補填する性格のものではないことから、医療費控除の計算上差し引く必要はないので、注意したい。

医療費控除の対象年分は支払った年度ごとに申告

妊娠から出産までを「十月十日」とよく言われるが、この言葉からもわかるように出産は年をまたぐことが多い。その場合の医療費控除の取扱いだが、基本的な考え方は“支払った年度の医療費控除として申告する”ということ。したがって、今年支払った分は今年分の医療費控除で、昨年に支払った分は昨年分の医療費控除として申告することになる。
くれぐれも控除漏れがないよう気を付けたい。