国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

会計人ニュース

注目キーワード

  • KaikeiZine
  • キャリア・お仕事
  • 専業主婦からママ税理士へ 子育てしながら働く!ライフスタイル白書【22】:確定申告の無料相談員のお仕事

専業主婦からママ税理士へ 子育てしながら働く!ライフスタイル白書【22】:確定申告の無料相談員のお仕事

今年も確定申告の時期がやってきました。毎年2月になると、各市区町村では「確定申告無料相談会」が行われ、税理士が一般の納税者の確定申告の相談に応じています。私の所属する支部では、それぞれの税理士が年2日参加することになっています。この無料相談会でのお仕事は、顧問先とのお仕事とはまたちょっと違う楽しさがあります。今回は、確定申告無料相談会での大変なことやうれしいことなどについてお話したいと思います。

私の所属する支部では、毎年2月の平日のうち10数日間は、3カ所ある区の施設で朝9時半~16時までの間、確定申告無料相談会を行っています。私たちは事前準備があるので、開始4~50分前には集合し、普段はつけない税理士バッチをつけて相談会に臨みます(一応決まりです)。相談者さんからすれば平日の9時半~16時の間だけ(しかも昼休みはやってない)というのは、「時間のやりくりが大変だろうな」と思うのですが、みなさん都合をつけてご相談にいらっしゃいます。

 

税理士バッチをつけると気持ちが引き締まります!

「確定申告無料相談会」はその名の通り、住民が無料で税理士に相談できますが、私たち税理士にはきちんと謝金が出ます。ボランティアではありません。だからというわけではありませんが、もちろん真剣にご相談にのらせていただいています。

通常の税理士業務では、顧問契約をしたお客様と、毎月とか定期的にお会いしたりお電話やメールでやり取りをしたりしながら、何年もお付き合いをしてその関係性を深めていきます。それに比べて、無料相談会でお会いするみなさんは、ほぼ全員初対面。30分~1時間程の短い時間で、相談者さんが抱えている不安や不明点を解決しないといけません。

私が所属する支部の場合は、1対1で対応するのではなく、ズラーっと並んだ机と椅子に相談にいらっしゃった方が座っていて、その近くを10~20人くらいの税理士が様子を見ながら、うろうろしています。声を掛けられたらその方の近くに行ってご相談にのる、という形式です。相談者さんは座っていて、私たちは立ったまま腰をかがめてお話をするので、相談会が終わるころにはたいてい腰が痛くなっています(笑)。開始の9時半までに廊下に大行列ができていることも多く、夕方までのんびりする時間はほとんどありません。大雪だったりすると、閑古鳥が鳴いているような日もあるようですが……私にはその経験はありません。

無料相談会では、ご相談にお答えしますが、納税者の代わりにどんどん計算をしてあげたり、申告書に書いてあげたりしてはいけないことになっています。あくまでも「納税者本人が作成・申告すること」をサポートするための無料相談会なのです。以前、たくさんの領収書等をバン!っと、机の上に出して「全部持ってきたからこれで決算書作ってくれ」という方がいらっしゃいましたが、責任者がきちんとご説明してお帰りいただいていました。例年、出産後の医療費控除のために小さな赤ちゃんを連れて来場される方もいらして、かわいくてあやしているうちに「ニコ~」っと、笑顔を見せてくれたときは、その半径数メートルの空気が幸せに包まれます。ほかにも、グズり出した赤ちゃんをあやして泣き止んでくれると「やった!」と思います(そこがやりがいではないですが……笑)。と、無料相談会はほっこりするシーンも多く和やかです。

さて、無料相談会で普段の業務以上に心掛けているのが、「かみ砕いた説明をする」「専門用語を使わない」「本当に相手が知りたいことをわかりやすい言葉で話す」ということです。たいていの相談者さんは、数日前から「この日は税金の相談に行く日」と予定を組んで、「1年に一度の確定申告を無事に済ませたい」と思って会場までわざわざ足を運んでくださっています。だからこそ、可能な限り、その貴重な一回の相談ですべてを解決してあげたいなと思っています。書類不備などでその日だけでは終わらないこともありますが、それでも「あとは家で◎◎を確認して、ここに数字を書いて計算したら自分で作れます!」という状態にしてお帰りいただけるようにと思っています。

難しい質問はほとんどありませんが、たまに「あれ?この計算でいいのだっけ?」というような不安があれば、すぐに、近くにいる別の先生に確認できるので安心です。

何十分も並んで、「今年も確定申告、無事に終わるかな」と緊張や不安に思っていらっしゃった方が、相談後「あ~ここで丁寧に説明してもらえてよかったわ!」とか「毎年ね、これが終わるとひと安心するのよ」と、ホッとした顔でお帰りになる姿を見ると、とてもうれしくなります。

自分の知っていることをお伝えすることが誰かの役に立っている。社会貢献になっているのだなと思うと、腰の痛みもなんのその。夕方の業務終了時には毎回、心から「あ~~やっぱりこの仕事好きだなぁ~!」と、心地よい疲れを感じます。

著者: 脇田弥輝

脇田弥輝税理士事務所/東亜大学大学院法学専攻非常勤講師

長男を出産後、会計・税法の知識ゼロから税理士を目指し、2013年税理士登録。税理士法人勤務を経て2016年脇田弥輝税理士事務所開業。「『外部の税理士の先生』ではなく、『内部の敏腕経理』と思って頂き、お客様とともに事業を成長させる」を理念とし顧問先と付き合う。著書に「ダンゼン得する知りたいことがパッとわかる 青色申告と経費・仕訳・節税がよくわかる本」(ソーテック社)がある。
■脇田弥輝税理士事務所
http://wakitamiki.work/
■子育てママ~専業主婦から税理士☆合格体験&お仕事日記
http://ameblo.jp/zeirisi-ni-naru/

ページ先頭へ