酒や御馳走を振舞うことを「饗応」といったりします。また、そうした席は「饗宴」と呼ばれ、古今東西、多くの者が饗宴を楽しんできたことでしょう。饗応や饗宴が、多くの文学作品や名画に表現されていることからも分かるように、芸術家の創作意欲にも多大な影響を与えるのではないでしょうか。今回は「饗応」にスポットを当ててみましょう。
太宰治「饗応夫人」
太宰治の晩年の名作に「饗応夫人」があります。これは、女流画家の桜井浜江と太宰との実話を元に創作された作品として有名です。
作品の中で「奥さま」と称される夫人はお客に何かと世話を焼き、ご馳走するのが好きな人でした。そもそも、「饗応」とは酒食を供して客をもてなすことや食事や酒を提供することを指す言葉です(広辞苑755頁)。
太宰の作品には饗応を素材とした文学や芸術作品が多々あります。
レンブラント「饗宴」
さて、オランダの著名画家レンブラント(Rembrandt Harmenszoon van Rijn)の作品の中でもとりわけ有名な絵画の1つに、「饗宴」がありますが、ベルシャザールの「饗宴」を誰よりも最初に見たのがレンブラントだと言われています。
酒食をもてなすことが何故これほどまでに芸術家の作り出す名作に取り上げられているのでしょうか。酒食をもてなすその先に見え隠れする人々の謀りごとや、饗応を受ける者の下心や駆け引きが彼らの琴線に触れるのでしょうか。
もっとも、饗応を受ける者がその酒食から欲求を満たされているかどうかは、その当事者の思惑次第であって、いかに芸術家の慧眼(えげん)をもってしても見抜くことはできないものです。芸術家が心眼を凝らし、悩み抜く先にも、彼らの本心を見抜くことは不可能でしょう。
そうであるがゆえに、芸術家達は饗応が繰り広げられる宴に魅力を感じるのではないでしょうか。
ところで、租税特別措置法61条の4《交際費等の損金不算入》に規定する交際費等課税制度の対象となる交際費等の認定に当たっては、接待等を受ける者の所有欲や満足を満たすもの(行為)こそが、これに該当するとの見解(萬有製薬事件:東京高裁平成15年9月9日判決(判時1834号28頁))がありますが、当事者の所有欲や満足を満たすものが本来の接待等と理解すべきなのでしょうか。
饗宴は、打算や権謀術数の中で繰り広げられているのです。
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