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インターネット取引調査

主婦や学生がインターネットで気軽に商売。なかでもオークションはすぐに始められ、慣れてくれば年間所得数百万円稼ぐ人も少なくない。こうした収入に対しても、税務調査官は厳しくチェックしている。なかでも、所得があるのにバレないと思っている無申告者。オークションサイトなどは、日頃から税務調査官が監視の目を光らせている。

インターネットが普及し、主婦やサラリーマン、学生にいたるまで、個人事業主としてある程度の収入を得る人が増えてきた。なかには1千万円超を稼ぎ出す事業者もおり、課税当局では適正納税を推進するため、インターネット取引業者の税務調査に力を入れている。

課税当局のインターネット調査の傾向を見ていくとき、参考になるのが過去の統計だ。インターネット取引調査は、平成25事務年度(平成24年7月から同25年6月末)に1782件だったものが、同26事務年度(平成25年7月1日から同26年)は2195件まで増えた。

その内訳は、ネット通販が全体の28.1%を占め、ネットオークションが21.2%と、この2つで全体の約半分を占める格好だ。

ネットで株式の売買や商品先物、外国為替などを行う、いわゆる「ネットトレード」も例年多く、調査件数は18.1%に上る。ネット広告の調査も増え13.2%、まだまだ調査件数としては少ないが、近年当局が注目しているのがコンテンツ配信。たとえば、音楽や静止画、書籍、情報などがダウンロードできるもの。コンテンツ配信は、どれだけダウンロードされているのか、その情報を取得するが大変で、人気のコンテンツ配信者が調査先に選定されるケースが多い。

興味深いのが申告漏れ金額。平成26事務年度は、1件当たり1121万円となっており、一般の所得税877万円より1.3倍も高くなっている。

ネット取引で儲けても、申告さえしなければ税務署も正確な数字はわからないと考える納税者は少なくないが、税務調査官は、「インターネットのホームページや、オークションサイト、フェイスブックなどのSNSは入念にチェック。銀行預金に売上の入金が隠されていないかなど、反面調査も行う」としている。

TV番組などでよく主婦が、海外のブランド品をネットで販売、かなりのお金になっているシーンなどを目にするが、税務調査官によってはこうした情報も入手しており、まずは確定申告がきちんとされているか、申告されていたとしたら、その金額が適正なのかなども、事前調査で調べ挙げられる。申告漏れ金額も高く、実態をつかみにくいインターネット取引。今後も調査に力を注いでいくことが予想される。

著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
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