酒が強い-。
それが長いこと、仕事で税務調査官と付き合ってきて感じたこと。全員ではないが、とにかく酒を飲む人が多い。「皆、本当に酒が好きなんだなぁ」と思っていると、実はそれほどでもない人も多いという。それでも、先輩に誘われるから飲みに行く。昭和ちっくな雰囲気。それが国税職員だ。

ある女性職員は、税務署に配属されたばかりのころは、日本酒を舐めただけで、顔が赤くなったらしいが、今この席で一緒に飲んでいる彼女は、日本酒をコップで何杯目?「オヤジに鍛えられたから・・・」と、こちらにも酒を注いでくる。
酔っていても、表面張力でいい感じにこぼれないギリギリの注ぎぶりは熟練の技。

ちなみに「オヤジ」は自分の父親のことではない。国税の世界では、税務署長のことを「オヤジ」と呼ぶ。オヤジは決して酒を無理強いしないが、部下はオヤジがお開きにしない限りそのまま2件目にも行く。とにかく、ついてのみに行くだけで、酒が強くなるのが国税職員のようだ。