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女性記者のひとりごと vol.75 脱税密告者

アメリカには、脱税に関する密告で報奨金がもらえる制度があるのをご存知だろうか。IRSによると、2018年度の報奨金は、過去最高額の3億1200万ドル。日本にもかつて、密告を促す制度があったが、密告を奨励する制度は日本の風土に合わないとして廃止。制度廃止を訴えていた政治家や、政治家に働きかけていた資産家は叩けば埃が出そうだ。

米国には、脱税に関する密告で報奨金がもらえる制度がある。

密告を受けてIRSが税務調査した結果、実際に脱税していた場合には、追徴税額の10〜30%が脱税密告者に報奨金として支払われるというものだ。

IRSによると、2018年度の報奨金は、過去最高額の3億1200万ドル(350億円)。

それまでの最高額1億2500万ドル(140億円)の倍以上だとか。

国庫からかなりの税金が「報奨金」として出ていくことになるわけだけど、

この内部告発のおかげで2018年は14億ドル(1600億円)の税増収となり、2017年の1億1900万ドル(130億円)を大きく上回ったのだそう。

アメリカすごいね〜。

とはいえ密告者もそれなりにリスクを背負っている。

報奨金を得るために弁護士を雇って理論武装しているケースが多いというけど、

実際に報奨金の対象になる密告はほんの一部でほとんどが門前払い。

密告者自身が法を犯していれば当然罰則の対象になる。

報奨金を受け取りながらも刑務所に入っているという密告者もいるのだそう。

そう聞くと何だかドスのきいた凄い制度だ。

 

日本にもかつて、密告を促す制度があった。

高額納税者の公示制度がそれ。

表向きは高額納税者を讃えるという体裁だけど、

目的は「公示金額よりも稼いでいるはず」「○○さんの名前が載っていないのはおかしい」などの通報を期待したもの。

導入当初は脱税発覚につながった第三者通報に対していくばくかの報奨金も支払われていたそうだけど、密告を奨励する制度は日本の風土に合わないとして廃止され、その後、平成18年には公示制度自体も廃止された。

制度廃止を訴えていた政治家や、政治家に働きかけていた資産家は叩けば埃が出そう。

日本の財政云々という議論が絶えないが、よほどの時には密告制度を復活させてはどうだろう。

…なんてね。夜道で襲われかねないから戯言はこの辺にしておこう。

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著者: 川瀬かおり

記者/税金ライター

社会部を根城とする税金オタクの女性記者。財務省・国税庁を中心に取材活動を展開すること20余年。事件モノを得意とし、裁判所にも日参する。税金ネタをこよなく愛する一方で、税制の隙間や矛盾を見つけては叩きまくるサディスティックな一面も。趣味は夜討ち朝駆けとクラブ通い。

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