この降って湧いた新型コロナ禍は、国民、特に個人事業主を直撃しています。さまざまなイベントは中止となり、繁華街から人気が絶え、さらには小さな子どもがいる場合は突然学校が休みとなり、子どもの預け先に右往左往することに――と、その影響はとどまるところがありません。そんな個人事業主がこの厳しい時勢を乗り切るための施策が次々と打ち出されています。そのうち一つが、厳しい資金繰りを援助する助成金や融資制度。どのようなメニューがあるのかと共に、制度を利用するための要件をまとめました。

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【第三弾】新型コロナを乗り切るための個人事業主が使える助成金・給付金・補助金(5月8日分まで)

段々と出そろってきた個人事業主向け支援策

3月10日に政府から発表された「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策 ―第2弾-」では、フリーランスや個人事業主向けの施策も講じられ、以下の内容が打ち出されました。

〇個人事業主・フリーランス向け休業対応助成金

誰かから雇われている人には保障がある一方、休業が収入に直結する個人事業主やフリーランスについては何もないといわれる中、国から援助策が打ち出されました。

その内容は以下の通りです。

助成対象者:
①又は②の子どもの世話を行うことが必要となった保護者であって、一定の要件を満たす人
①新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子ども
②新型コロナウイルスに感染したまたは風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれのある小学校等に通う子ども

実施主体:国

助成日額:4,100円

助成要件:
・個人で就業する予定であった場合
・業務委託契約等に基づく業務遂行等に対して報酬が支払われており、発注者から一定の指定を受けているなどの場合

適用日:2020年2月27日~3月31日(春休みなどは除く)

申請手続:未定(決まり次第厚生労働省HPや都道府県労働局などを通じて告知)

詳細:厚生労働省HP「小学校等の臨時休業に対応する保護者支援の創設(委託を受けて個人で仕事をする方向け)について

コロナによる全国一斉休校などで仕事を休まざるを得なくなった保護者については、一日あたり8,330円の助成金が出ますが、個人事業主は対象となりません。これに対しての不満の声を受け、フリーランスも助成されることになりました。ただしその額は4,100円と、従業員の半額以下です。この金額の算定は、報道によれば「東京都の最低賃金が1時間あたり1,013円で、その4時間分働いていると仮定した」(東京新聞、3月11日)とのことです。

 

〇ファミリー・サポート・センター事業を利用した際の利用料の減免

ファミリー・サポート・センターは、子どもの送り迎えや預かりなどを、事前登録した「依頼会員(援助を受けたい会員)」と「提供会員(援助を行いたい会員)」をマッチングして行う、市区町村が実施主体となる制度です。

新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業等により、ファミリー・サポート・センターを利用する場合、利用会員に利用料相当額が助成されます。

助成対象者:ファミリー・サポート・センター会員

実施主体:市区町村

助成額:利用会員が協力会員に支払う報酬額

助成要件:学校の臨時休業等によりファミリー・サポート・センターを利用した会員

申請手続:未定

 

〇個人事業主・フリーランスへの事業資金の融資制度:無利子・無担保融資

フリーランスを含む個人事業主は、資金繰り対策の融資について、信用力や担保にかかわらず、実質的に無利子化されます。これらは緊急対応策第1弾で講じられた資金繰り対策に遡って適用されるので、条件に該当すればもしすでに融資を受けた場合でも無利子となります。

要件は以下の通りです。

融資対象者:フリーランス含む個人事業主

実施主体:日本政策金融公庫など政府系金融機関

融資の上限額:6,000万円(一部対象者は3,000万円以内実質無利子)など各種メニューあり

使い道:設備資金および運転資金

申請手続:日本政策金融公庫などへの相談(事業資金相談ダイヤル 平日9時~19時:0120-154-505)

申請開始日:3月17日

詳細:日本政策金融公庫HP「新型コロナウイルス感染症に関する融資制度の拡充について