人気連載第28弾! 東京、ニューヨーク、香港と渡り歩いた税制コンサルタントMariaが、あらゆる国の税に関するエピソードをご紹介。今回は香港旅行をされる際におすすめしたい離島をご紹介するとともに、国内旅行にかかる税金を日本と比較してみます。
香港は4つの区域で構成されています
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延を受け、今後の旅行の予定が立てられない状況ですね。早く世界的に事態が収束することを願いつつ、コロナ後に香港への旅行を検討されている方がいたら、ぜひ訪れてほしい離島を紹介させていただきたいと思います!
香港は3つ、数え方によっては4つの区域で構成されています。
1つ目は香港の中心地、香港島。
島の北側にはオフィス街であるセントラル(中環)と、ショッピング街であるコーズウェイベイ(銅鑼湾)があります。島の中心へ向かい山になっていて、そこには高級住宅地であるミッドレベルズやピーク(山頂)などがあります。島の南側はビーチタウンとして有名です。外国人の多くは香港島に住んでおり、国際的な雰囲気が街全体を包んでいます。
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(写真/makoto.h)
2つ目は香港島から見て北に位置する九龍半島。
ここは“香港らしい香港“の活気であふれています。香港で一番古いペニンシュラホテルや、香港で最も高いビルICCタワー、若者の文化の中心地モンコク(旺角)、細い道が入り組むナイトマーケット等が有名です。最近では香港島の高いオフィス相場を逃れるため、有名企業が続々とオフィスを九龍半島側に移転しています。
3つ目は九龍半島のさらに北に位置するニューテリトリー(新界)。
ここは中国本土と陸続きで、中国のシリコンバレーと呼ばれる深センに隣接しています。香港島や九龍半島の中心地へ通勤する世帯のベットタウンであり、緑豊かな地域です。ハイキングやバードウォッチングを楽しめる自然公園もあり、香港にいるとは思えないくらいの大きな家が点在しています。
最後4つ目が、各地に散らばる島々です。
厳密な住所の区分けではニューテリトリーの一部に分類され、人が住む島、空港がある島から小さなビーチ島、無人島とその特色はさまざまです。今回は数ある島の中でも、代表的なランタオ(大嶼)島と、ラマ(南丫)島を紹介したいと思います。
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個性あふれる香港のランタオ島とラマ島
まずは、最大の離島であるランタオ島をご紹介します。ランタオ島には、アジアのハブ空港である香港国際空港、有名アーティストのコンサートや展覧会の会場となるアジアワールドエキスポ、香港ディズニーランド等があります。香港島や九龍半島へは地下鉄、バス、フェリー等さまざまな公共交通機関でアクセス可能です。この島のみどころは、ディスカバリー・ベイと呼ばれる住宅地です。
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ディスカバリー・ベイはビーチに隣接した街です。香港島や九龍島にある住環境と比べると自然豊かで広々としており、香港でも有数の欧米人居住区になっています。中心地であるセントラルまでフェリーでたったの30分であることから、ディスカバリー・ベイに住みながら香港島へ通勤する人も少なくありません。
ディスカバリー・ベイでは自家用車の通行が禁止されており、現地では公共のバスか、ゴルフカートで島を移動します。緑豊かな環境で車の通行もなく、子育て世代に人気のエリアでもあります。
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ディスカバリー・ベイのみどころは何といってもビーチです。ビーチの目の前にはレストランのテラス席が軒を連ねているので、日光浴をした後にビールを飲む・・・なんて楽しみ方ができます。
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さて、次にラマ島をご紹介します。ランタオ島と比べると小さな島ですが、シーフードとハイキングで大変有名な島です。
ラマ島へはセントラルからフェリーで約40分。フェリーターミナルは島に2ヵ所ありますが、どちらのターミナルから島に入っても、降りてすぐにシーフードレストラン街が位置しています。
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どのレストランにも水槽があり、その場で魚を調理してくれます。
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ランタオ島にあるディスカバリー・ベイと同じく、ラマ島のレストランにも海を見渡せるテラス席があります。違いは、ディスカバリー・ベイは欧米風、ラマ島は中華風というところでしょうか。
またラマ島にあるレストランのテラス席は海の隣にあるので、あたかも漁村にいるかのような気持ちにさせてくれます。
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お腹いっぱい食べた後は、腹ごなしにハイキングがおすすめです。ラマ島にはハイキングコースがいくつかあり、初心者向けのなだらかなコースもあれば、上級者向けの厳しい山道もあります。
私たちは当然初心者向けのコースを選びました。
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なおラマ島においてもディスカバリー・ベイと同じく、車の乗り入れが禁止されています。離島に来ると、少しだけ空気が綺麗な気がします。
日本で国内旅行をする際にかかる税金
さて、ここで日本で国内旅行をする際に、旅行者がどんな税金を負担するか考えてみたいと思います。
まず新幹線または航空券に乗って目的地に向かうとします。この時点でそれぞれに消費税10%がかかります。
そして国内旅行であっても、利用する空港によって空港税がかかります(なお空港税はそれぞれの空港が使用料として決定しているものであり、日本の国税または地方税ではありません)。
さて、ホテルにチェックインして、支払いをしますね。この時点で、都道府県によって宿泊税を負担します(例:東京都においては、宿泊料金1万円~1万5000円未満で宿泊税100円、1万5000円以上で宿泊税200円)。
その後、現地でレンタカーを利用すると仮定します。この際にもレンタカー基本料金に消費税10%がかかります。また、レンタカーを返却する際に補充するガソリンについては、ガソリン税(揮発油税及び地方揮発油税)を1リットルあたり53.8円、地球温暖化対策税を1リットルあたり0.76円、そして販売価格に対して消費税10%を負担します。
現地で温泉に入る場合には入湯税(地方税、標準税率は宿泊を伴う入湯で150円)の負担もあります。
・・・と列挙するときりがないのですが、移動や消費に伴って、これらの税金を負担する必要があるのは事実です。
香港で国内旅行をする際にかかる税金
さて、香港での国内旅行の場合はどうでしょうか。
まずは移動ですが、香港はとても小さな区域であるため、国内便というものがありません。すべての異動はバス、地下鉄又はフェリーでの移動となります。そして消費税や付加価値税が存在しないため、利用料金のみを負担します。
次にホテル税ですが、香港においてホテル税は2008年7月に事実上廃止されました。それまでの税率は3%でしたが、現在の税率は0%です。
レンタカーを利用する際の税負担はどうでしょうか。消費税はないため、レンタル基本料金に対する税負担はありません。しかし香港においても、ガソリンに対する税金は存在します。香港のガソリン税は1リットルあたり6.06香港ドル(約85円)です(参照:Customs and Excise Department, Hong Kong Government)。消費税や地球温暖化対策税のようなものはありませんが、ガソリン税だけを切り取ってみると日本よりもはるかに高いですね。
実は香港は、世界で最もガソリンが高い地域として有名です。世界平均は1リットルあたりUS$0.92ですが、香港はUS$2.13と2倍以上の価格です(参照:Globalpetrolprices.com)。
これはガソリン税が高いことも理由ですが、何よりも高騰する地価に対応するために、各社が販売価格を上げ続けている背景もあります。なお香港の地価は一連の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて下落傾向にあります。今後、ガソリン価格へも影響があるかもしれません。
最後に入湯税ですが・・・香港には温泉がありません。トホホ。
ということで、香港において国内移動と消費をする場合、レンタカーを利用する際のガソリン税の負担だけがあることが分かりました。
しかし既述のとおり、ご紹介したランタオ島もラマ島も車での上陸が禁止されています。つまるところ、香港の中で国内旅行をする場合は、税金の心配は無用ということです。
今回のまとめ:
香港においては、各レストランやホテルによるサービスチャージに気を付けましょう!
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