老人ホーム等で亡くなる人が年々増加し深刻化している「空き家問題」。超高齢化社会に突入し様々な空き家問題が同時多発しているが、税制面からの対策が奏効するかじっくり見守りたい。

老人ホームで亡くなる人が増加する中、「空き家問題」も年々深刻化。こうした中、国もようやく対応に本腰を入れ始めた。

平成31年度改正では、老人ホーム等で亡くなる人が年々増加していることを踏まえ、空き家の譲渡所得の3千万円特別控除の対象に被相続人が老人ホーム等に入居していた場合を加え、適用期限を35年12月31日まで4年延長された。社会問題化している空き家の発生を抑制するのが狙いだ。

空き家の譲渡所得の3千万円特別控除は、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、その家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、敷地を含む)又は取壊し後の土地を譲渡した場合には、一定の要件を満たせば譲渡所得から3千万円を控除する制度。28年度税制改正で創設された。

適用要件の一つが、「相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものであること」。このため、財務省の28年度の租税特別措置法改正の解説では、「例えば、その被相続人がその相続の開始の直前において老人ホーム等に入居していて、既にその家屋を居住の用に供していなかった場合には、本特例の対象となる被相続人居住用家屋には該当しない」と説明されていた。

31年度改正では、老人ホーム等に入所したことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋等でも、

1)被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始の直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと

2)被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前まで、その家屋について、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこと

の要件その他一定の要件を満たす場合に限り特例を適用する見直しが行われた。

超高齢化社会に突入し様々な空き家問題が同時多発しているが、税制面からの対策が奏効するかじっくり見守りたい。


バナーをクリックすると㈱レックスアドバイザーズ(KaikeiZine運営会社)のサイトに飛びます

最新記事はKaikeiZine公式SNSで随時お知らせします。

 

◆KaikeiZineメルマガのご購読(無料)はこちらから!
おすすめ記事やセミナー情報などお届けします

メルマガを購読する