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その手があったか 酒井威津善の【儲けのヒント】〜第10回 提供形態①〜

7月に入り、新型コロナウィルス感染症は緊急事態宣言以前のような様態になりつつあり、予断を許さない状況が続いています。その一方で、ワクチン開発が国内外で着実に進んでおり、ビジネスの場面では、そろそろ「ポスト・コロナ」環境を想定しておく必要がありそうです。
そうした中、新しい事業を考える(もしくは既存事業を見直す)上で、ポイントとなるのが「これまでにない切り口」をどうやって見つけるか、です。
第10回目は、「提供形態」その1です。

提供形態とは何か

提供形態とは、商品やサービスをどのように提供するか、つまり、ビジネスの「How」にあたる部分です。例えば、コンビニや百貨店の場合は「販売」で、家事代行は家事を「代行」するといった具合です。以下のような計13パターンあります。

※今回は⑧の修理まで、⑨賃借以降の5つについては次回ご紹介します。

①販売
もっともポピュラーな提供形態です。
コンビニエンスストアや百貨店など商品を相対で提供する形態で、一般的な小売店や飲食店などはすべてこの形です。

②買取
リサイクルやリユースを目的として、不用品や中古品などを買い取る方式です。ここに、「仲介」をプラスしたのが、あのメルカリ(https://www.mercari.com/jp/)。
一般的な買取は自社が保有するルートによる流通ですが、これを、「サプライヤー」を変え、個人間(CtoC)にしたのがメルカリです。

③預託
文字通り、利用者の「資産」を預かる形態です。
金融資産を預かる金融系、銀行や証券会社。他にも倉庫ビジネスなどもここに該当します。
預け入れと返り戻しと預け入れた資産の運用や手続の際に発生する手数料が主な収益です。買取と同様に、他の形式と組み合わせやすい形態の1つです。

④運送・配送
物流企業など、ある場所からある場所へ運ぶ・移動させる形態です。
ヤマトや佐川などの宅配業、宅配弁当などの出前館(https://demae-can.com/)やお酒の配達のカクヤス(https://www.kakuyasu.co.jp/)に始まり、移動スーパーとくし丸(https://www.tokushimaru.jp/)なども含まれ、運ぶ対象は多岐に及びます。

⑤仲介
いわゆる「マッチング」です。旧来からあるものでは、不動産、人材、広告などが当てはまり、近年では、専門知識で絞り込まれた人材や、時間単位、分単位など、シーン別や時間別など新たな軸によるマッチングが増加しています。中でも、世界展開されているUber Eatsは「飲食店」と「配達する人」をマッチングさせ、知名度においては今や独走状態です。

⑥教育
学校、塾、予備校など「教える」形態のことです。
最近では、教育改革の影響もあって、プログラミング、英語が顕著に増えているほか、以前まで対象ではなかった未就学幼児向けプレスクール、例えば、キッズガーデン(https://www.kidsgarden.co.jp/)が大きな拡大を見せています。
他の形態との最大の違い(仲介を除く)は、提供資産に売上原価が発生しない点(人件費などの販管費が中心)。一方で、教える人材の獲得など障壁もあるのもこの形態の特徴です。

⑦代行
家事代行に代表される、時間を節約したい利用者に代わって何かしらの作業などを行う形態です。
近年フォーカスがあたったのが退職代行のEXIT(https://www.taishokudaikou.com/)です。ブラック企業の社会問題化が背景となって、退職代行は一大市場化しました。
そのほか、結婚式への出席代行やPTA出席代行、宿題の代行など、基本的に「人が行うこと」のほぼすべてが対象になるのがこの形態の特徴です。

⑧修理(メンテナンス)
スマホなどのハードウェアをはじめ、近年では睡眠改善など、モノではなく、「人」のメンテナンスへの広がりも大きくなっています。
この形態には、セールスエンジニアのように、直接メンテナンス作業を受託するケースと、メンテナンス作業をバックアップするケースがあります。
後者は、作業する場所や機材、消耗品などの提供やメンテナンス作業のノウハウ研修などもこれにあたります。

※⑨賃借以降については次回ご紹介します。

提供形態をアレンジする

これまで9回に渡ってご紹介してきたものと同様、この提供形態も別のものに、例えば、「置き換える」、「別の形態を追加する」といった具合にアレンジをかけます。

例えば好例なのが、エアークローゼット(https://www.air-closet.com/)。
今や一大市場となった洋服のレンタルビジネスです。旧来、衣類といえば、販売するものです。販売→賃借、つまりレンタルに変えたのがこのビジネス。さらに「マネタイズ」として、定額のサブスクリプションを加えた見事なモデルです。

衣料のカテゴリーでは他の形態もあります。
例えば、テレビCMで有名なブランディア(https://brandear.jp/)。ブックオフの本の買取と同様に使わなくなった、着なくなった衣料やアクセサリーなどを買い取るビジネスです。

こうして、同じ商品やサービスであっても、その提供形態を他の手段に切り替えることで、まったく新しく、かつ差別化要素を持つビジネスモデルが生み出すことができるのです。
ぜひ、「ポスト・コロナ」環境に沿った次なる一手の構想の切り口の1つとして、この視点を加えてみてください。


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著者: 酒井威津善

フィナンシャル・ノート代表

東洋情報システム(現TIS株式会社)にて10年間に渡り、法人向けシステムの企画・設計に従事したのち、不動産証券化業、住宅建設業、人材紹介業、システム開発業、遊技機製造業などで計12年間CFO(財務責任者)を歴任。2016年独立。新しいビジネスモデルの創出支援、設計及びサポートなどを行なう。著書に「儲けのしくみ 50万円からできるビジネスモデル50」「儲けのしくみを誰でもつくれるすごいノート」(自由国民社)、「起業のための儲けの教科書」(ソシム)がある。

■新しいビジネスモデルの発見とヒント
http://financial-note.com/ 
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