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その手があったか 酒井威津善の【儲けのヒント】〜第11回 提供形態②〜

8月に入り、新型コロナウィルス感染症は緊急事態宣言以前のような様態になりつつあり、依然予断を許さない状況が続いています。その一方で、ワクチン開発が国内外で着実に進んでおり、ビジネスの場面ではそろそろ「ポスト・コロナ」環境を想定しておく必要がありそうです。
そうした中、新しい事業を考える(もしくは既存事業を見直す)上で、ポイントとなるのが「これまでにない切り口」をどうやって見つけるか、です。
第11回目は、「提供形態」その2です。

提供形態とは何か

提供形態とは、商品やサービスをどのように提供するか、つまり、ビジネスの「How」にあたる部分です。例えば、コンビニや百貨店の場合は「販売」で、家事代行は家事を「代行」するといった具合でした。

前回、形態には計13パターンあることをご紹介しました。今回は、引き続き、⑨賃借以降の5つについてご紹介します。

⑨賃借

いわゆるレンタルです。レンタルの対象は「動産」と「不動産」に分けることができます。

動産は日用品から、服やパソコンといった耐久品まで多岐に渡り、不動産は土地、建物などが該当します。(賃貸マンションなど)

従来はもっぱらBtoCが中心でしたが、近年では「Peerby」(https://www.peerby.com/)のような個人間でのレンタルビジネスも広がっています。

 

⑩提供(サービス)

①の「販売」と同義です。

こちらは、商品とは異なり、形のないもの、つまりサービスが対象。例えば、ネイルやエステなど技術やスキルを提供する形態です。商品(ハードウェア)のみの販売に加え、サービスの提供形態を付加する形態が増えています。例えば、複合機メーカーが行う遠隔サポートや、建設機械最大手の株式会社小松製作所が手掛ける「KomConnect」(https://home.komatsu/jp/company/tech-innovation/solution/#anc02)などが有名です。

 

⑪創造

WEBサイトや商品などのデザイン、イラスト、小説などがこれにあたります。シンプルに成果物だけを提供する形式ではビジネスの拡大に限界がありますが、そこに他の形態をかけ合わせることで、大きなビジネスにつながる可能性を秘めています。例えば、すでに一市場化しているものでは、月間11億PVを誇る日本最大級の小説投稿サイト「小説家になろう」(https://syosetu.com/)や定額制の絵画のレンタル「casie」(https://casie.jp/)などです。

 

⑫製造

3Dプリンタの登場以降、ものづくりに対する概念は大きく変わり、従来の高い障壁のイメージはなくなりつつあります。例えば、レーザー加工機などが利用できる「ものづくり&コワーキング」のスペースを提供するデジハコ大阪(https://digihacoosaka.com/)のように、以前なら大きな資本が必要だった製造機能を個人ベースで利用可能にするサービスもあります。

 

⑬閲覧

美術館、図書館のように閲覧場所への入場に課金する方法や、今や多くの芸能人が参入するようになったYou Tubeのようにコンテンツ=動画や画像を無料で提供し、企業からの広告収入を得る形式、事前にオンラインライブに対応したデジタルチケットが販売する形式などがあります。

特にコロナ禍にある現在、有名アーティストによるライブ配信(デジタルライブエンターテインメント)は着実に市場化しつつあり、2024年には1000億円を超える予想も出ているほどです。

 

提供形態のアレンジ+提供条件

提供形態は、さらに【対象者】、【時間】、【場所】といった提供条件を掛け合わせ、さらにアレンジすることが可能です。

対象者とは、BtoB、BtoC、昨年頃から注目を浴び始めている、DtoC(Direct to Customer)の3形態のこと。

時間は、提供時間を指します。朝、昼、晩の時間帯、月水金などの曜日単位や24時間といった条件のことです。

最後の場所とは、もちろん提供する場所です。以前なら、リアルかデジタルの2択でしたが、近年の新技術により、「リアルとデジタルの中間部分」が生まれています。

例えば、新型コロナウィルス感染症の影響で、リアル店舗での提供が難しくなった結果、ロボットによって接客する「アバターロボット」(https://avatarin.com/avatar/newme/)の需要が高まっています。

また、24時間予約可能でスマホアプリで受診可能、薬の受け取りは郵送でできるオンライン診療アプリ「CLINICS (クリニクス)」(https://clinics.medley.life/)や、「周りの声」が聞こえたり、入退室、離席中といった機能を兼ね備え、さながらいつものオフィスで働いているのとさほど変わらない環境を提供するバーチャルオフィス「Remotty」(https://www.remotty.net/virtual-office)なども注目されています。

 

別の要素をかけ合わせることで差別化に

これまで10回に渡ってご紹介してきたものと同様、この提供形態も、さらに別の要素、例えば、「課金方法」や「ターゲット」といったものをかけ合わせることで、まだ手付かずのビジネス領域を創造することが可能です。

こうして、同じ商品やサービスであっても、その提供形態に他の要素を加えることで、まったく新しく、かつ差別化要素を持つビジネスモデルが生み出すことができるのです。

ぜひ、「ポスト・コロナ」環境に沿った次なる一手の構想の切り口の1つとして、この視点を加えてみてください。


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著者: 酒井威津善

フィナンシャル・ノート代表

東洋情報システム(現TIS株式会社)にて10年間に渡り、法人向けシステムの企画・設計に従事したのち、不動産証券化業、住宅建設業、人材紹介業、システム開発業、遊技機製造業などで計12年間CFO(財務責任者)を歴任。2016年独立。新しいビジネスモデルの創出支援、設計及びサポートなどを行なう。著書に「儲けのしくみ 50万円からできるビジネスモデル50」「儲けのしくみを誰でもつくれるすごいノート」(自由国民社)、「起業のための儲けの教科書」(ソシム)がある。

■新しいビジネスモデルの発見とヒント
http://financial-note.com/ 
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