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テレワークの導入・整備に使える補助金・助成金をご紹介します

新型コロナウイルス感染症の陽性者が再び増加している状況を受けて、政府は企業に対してテレワークで働く社員を7割に高めることを呼び掛けています。大企業では比較的テレワークが導入されているものの、中小企業ではあまり導入が進んでいないと言われます。その要因はさまざまありますが、テレワークを行うためのソフトウェアや機材を準備するコストがかかるのも要因の1つでしょう。テレワークの導入や環境整備をするにあたって活用できる補助金や助成金をご紹介いたします。

まずは、リモートワークや在宅勤務といったテレワークのメリットを確認しておきます。感染防止につながるという点以外では、企業としては、通勤や移動にかかる交通費などのコストを抑えられる、従来の業務のやり方を見直して効率化につなげられるなどが挙げられます。働く人にとっては、満員電車での通勤のストレスから解放される、通勤時間や移動時間がかからない(もしくは短縮できる)ので、プライベートや家族との時間が増えるなどがあるでしょう。一方で、デメリットや注意点として、コミュニケーション不足になりやすい、セキュリティ漏洩のリスクが懸念されるなどがあります。そのために、リモートで業務を行うことができるシステムの導入だけでなく、コミュニケーションツールの導入やセキュリティを確保する仕組みの整備も必要になってきます。テレワーク環境の導入や整備にはコストがかかりますので、活用できる補助金や助成金をご紹介します。

◆IT導入補助金<特別枠(C類型)>

新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響への対策や拡大防止に向けて、テレワーク環境の整備などに取り組む事業者のIT導入に対して補助されます。

対象者:中小企業・小規模事業者

他に、下記をすべて満たす3年の事業計画を策定し、従業員に表明しているなどの要件がある。(小規模事業者などはこの事業計画の要件は適用外となる)

・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加

・事業計画期間において、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする

対象経費:

・ITツールのソフトウェア費・導入関連費、ハードウェアレンタル費

対象となるITツールは、あらかじめ事務局に登録し認定を受けたITツールに限られる。こちらから検索できる。また、申請するITツールには次の甲・乙・丙の3つのいずれかの目的のITツールが1つ以上必ず含まれている必要がある。

甲:サプライチェーンの毀損への対応

乙:非対面型ビジネスモデルへの転換

丙:テレワーク環境の整備

金額:上記の甲・乙・丙によって次のように補助率が変わる

「甲:サプライチェーンの毀損への対応」のみ導入:補助率2/3で上限450万円

「乙:非対面型ビジネスモデルへの転換」、「丙:テレワーク環境の整備」のどちらか1つ以上を導入:補助率3/4で上限450万円

実施主体:独立行政法人中小企業基盤整備機構

申請期間:2020年8月31日まで(その次の締め切りは9月30日)

支給時期:ITツールの発注・契約、納品、支払などを実施した後、実績報告を行ってから支給される

申請方法:オンライン

申請に必要な書類:

オンラインで会社の基本情報、財務情報、経営状況、数値計画などを入力する。他に、次の書類が必要となる。

・履歴事項全部証明書

・納税証明書

など

問い合わせ先:サービス等生産性向上IT導入支援事業コールセンター

電話番号:0570-666-424

◆小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>

新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるために、小規模事業者が行う販路開拓などの取組みに対して補助されるものですが、テレワーク環境の整備についても補助されます。

小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>の概要については、こちらの記事をご参照ください。

 

厚生労働省が実施している働き方改革推進支援助成金でもテレワークを対象としたコースがありました。一旦募集は終了しておりますが、今後、新たに募集がされるようですのでご紹介します。

◆働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)

新型コロナウイルス感染症対策として、新たにテレワークを導入しようとする中小企業において必要な経費に対して助成されます。この助成金の交付申請は5月で一旦終了していますが、新たに募集が開始される予定です。新たな募集に関する詳細は出ておりませんので、下記の情報は5月まで募集されていたものにもとづいています。

対象者:新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規で導入する中小企業(試行的に導入していた事業主も対象とされていました)

対象経費:

・テレワーク用通信機器の導入・運用

テレワーク用のソフトウェアやシンクライアント端末などが対象となります。

パソコンやタブレットの購入費用は対象になりませんが、事業実施期間内のレンタル、リース費用は対象とされていました。

・就業規則、労使協定等の作成・変更

・労働者や労務管理担当者に対する研修、セミナー受講

・外部専門家(社会保険労務士など)によるテレワークに関するコンサルティング など

金額:対象経費の1/2以内で上限100万円

実施主体:厚生労働省

支給時期:事業を実施(テレワークを導入して1人以上実施することが求められていました)して支給申請をした後、審査を経てから支給される

申請方法:郵送

申請に必要な書類:

・働き方改革推進支援助成金支給申請書

・働き方改革推進支援助成金事業実施計画

・労働者災害補償保険法の事業主であることを確認するための書類(労働保険関係成立届など)

・申請する経費に関する見積書

など

問い合わせ先:テレワーク相談センター

電話番号:0570-550348

 

また、東京都内の企業が対象となりますが、次のような補助金も設けられています。

◆東京しごと財団 テレワーク導入促進整備補助金

東京都内の企業に対して、テレワークをトライアルするための環境構築や制度整備の費用を補助されるものです。東京都が実施するテレワーク導入に向けたコンサルティングを受ける必要があります。

対象者:

複数の要件が設定されており、主には次のようなものがある。

・東京都が実施するテレワーク導入に向けたコンサルティング(※)を受けていること

ワークスタイル変革コンサルティングなど

・都内に勤務している常時雇用する労働者を2人以上999人以下、かつ6か月以上継続して雇用していること

・就業規則にテレワークに関する規定がないこと

・東京都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」に参加していること

対象経費:

・東京都が提供するウェブサイト「テレワーク導入プラン」から選定した、機器等の購入費用、システム構築費用、関連ソフト利用料

・ モバイル端末購入費用

テレワークに必要な端末で、ノートPC、タブレットなどが対象とされている。ルーターやモデムなどの通信機器は対象外。

・テレワークに関する規定を就業規則に定めることに要する専門家への委託費

金額:従業員規模によって次のような上限額になっている

・従業員数300人~999人の企業:110万円

・従業員数100人~299人の企業:70万円

・従業員数100人未満の企業:40万円

実施主体:東京しごと財団

申請期間:2021年3月31日まで(ただし予算の全額が執行されたらその時点で終了)

支給時期:事業を実施した後、実績報告書を提出して審査を経て支給される

申請方法:郵送

申請に必要な書類:

・事業計画書兼支給申請書

・雇用保険被保険者資格取得等確認通知書

・就業規則

・テレワーク導入パッケージ提案書

など

問い合わせ先:東京しごと財団 雇用環境整備課 職場環境整備担当係(はじめてテレワーク担当)

電話番号:03-5211-1756

 

なお、これらの補助金・助成金は基本的には審査がありますので、申請すれば必ず受け取れるものではない点にご注意ください。

また、この記事の内容は、執筆時点(2020年8月13日)の情報をもとにしています。今後、制度や申請手続きなどが変わる可能性があります。


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著者: 市岡久典

ビジョナリーマインド代表/中小企業診断士

ベンチャー・中小企業の困りごとを解決する経営サポーター。日本オラクル(株)にてITコンサルタントとして従事した後、KLab(株)にて経営企画室・管理部門の責任者として上場準備を担当。「ベンチャー・中小企業の経営を伴走して支える」「働く人の悩みに寄り添い成長を支援する」を理念に、2010年に経営コンサルタント・心理カウンセラーとして独立。
創業からの成長ステージに合わせて、事業計画策定、資金調達、内部体制の整備、システム構築、IPO支援など、さまざまな課題の解決を支援している。また、マネジメントやメンタルヘルスに関する研修、経営者や従業員へのコーチング・カウンセリングも行っている。
著書「なぜ部下は思い通りに動かないのか」(労働調査会)

■経営支援と人材支援のビジョナリーマインド
http://3cos.jp

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