(2)FIREのタイプ

資産が生み出すお金で生活費を賄うことが出来れば、それは経済的自立と言って差し支えないでしょう。ただし、そこまで大きなお金を準備するのには時間がかかりすぎる、あるいはそもそも貯蓄が十分にできないケースも想定されます。そのような場合、FIREは諦めるしかないのでしょうか?
いいえ、そうではありません。FIREにはいくつかのタイプがあります。全く働かない、稼がないという訳ではないのですが、パーシャルFI、バリスタFIRE、サイドFIREという選択肢もありますので、ご紹介しておきます。
① パーシャルFI

生活費の一部を資産運用で賄い、それ以外は現在の給与などで稼ぐ生き方。例えば3,000万円の金融資産があり、生活費が500万円だとします。利回りで5%が期待できる場合、仕事で稼ぐ必要がある金額は500万円-3,000万円×5%=350万円となります。
収入の一部は会社に頼りつつも、完全には依存しない、つまり部分的に経済的独立を達成しようということです。
② バリスタFIRE

資産運用に加え、パートタイムで生活費を稼ぐ生き方。パーシャルFIと同様に生活費の一部は働いて稼ぐのですが、もともとの仕事ではなく、よりプレッシャーや責任が少ないパートタイムとして働く点が異なります。
生活費が年間200万円とすると、運用で100万円期待できるのであれば、残り100万円をパートタイムで稼ぐことになります。僕が学生時代にやっていたコンビニの夜勤バイトは時給1,000円程度でしたが、仮に同じ時給とすると、100万円÷時給1,000円=1,000時間、月にすると83時間なので、一日7時間勤務として月12日程度、つまり週3回働けば生活費は稼げることになります。
③ サイドFIRE

FIREを達成しながらも、自分の好きな仕事をして稼いでいく生き方。著名なFIRE実践者にはこのタイプが多い印象です。そもそもFIRE達成にはかなりの精神力、忍耐力や意志の強さが必要と思われますが、そこに本人の個性が加わり、好きなことをやっていてもお金がついてくるのかもしれません。FIREに至るまでのストーリーをブログや書籍で公表してお金を稼いだり、様々なボランティアに携わったり、もともとの仕事を辞めた後も、自分の興味がある分野で活躍する場があるのでしょう。Pete Adeneyさんはブログで自らの経験を公開することで、数千万円を稼いでいるとか。
なお日本でしばしば言及されるセミリタイアは、ある程度の生活費を資産運用で賄いつつ、比較的ストレスの少ないバイトなどで不足分を補っていく、上記のバリスタFIREに近いイメージでしょうか。
資産形成の公式を通じ、FIRE達成に必要な資産の作り方を見てきました。1億円という金額を考えると、一部の高所得者や資産家を除き、通常は険しい道であると言えます。しかしながら、パーシャルFIなど含めた場合、達成の確率はぐっと高まると考えられます。FIREを目指す場合でも、どのレベルの自由を求めるのかはその人次第です。まずは自分がどういった生き方、ライフスタイルを志向するのか、それを見極めることがスタートかもしれません。
次回「FIREと公認会計士3.公認会計士からみるFIREの実現可能性(前)」に続きます。
【参考・出典】
・グラント・サバティエ,FIRE 最速で経済的自立を実現する方法,朝日新聞出版,2019年
・クリスティー・シェン, ブライス・リャン他,FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド,ダイヤモンド社,2020年
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