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弁護士が教える遺言書の書き方 ~後編~ 実際に遺言書を作成してみよう

前回は、遺言書を書く前提として、遺言書には3つの方式があることを解説しました。後編では遺言書を実際に書く場合のポイントを解説します。

遺言書の方式のうち通常は自筆証書遺言か公正証書遺言が用いられることが多いです。このうち公正証書遺言は公証人が作成してくれるため自分で書く必要はありません。そこで、後編では自筆証書遺言を書くためのポイントを解説します。

遺言書を書くためのポイント①:全文を手書きする

自筆証書遺言は、全文を自書(手書き)することが要件となっています。例えば、遺言書の一部をパソコン等で書いた場合は原則として無効となります。また、自書(手書き)については厳格に解釈されており、例えば他人が手を添えて書いた遺言であっても原則として無効になるので注意が必要です。但し、遺言者が口や足で作成する遺言は有効だと考えられています。

用紙や筆記具について制限はありませんが、遺言書の内容が改ざんされるおそれがあるため毛筆、ボールペン、サインペン等の消しゴムで消すことのできない筆記具を使用するのが良いでしょう。

遺言書を書くためのポイント②:作成年月日を忘れない

遺言書を書く場合は必ず作成年月日を記載することを忘れないようにしなければなりません。自筆証書遺言では作成年月日を記載することが要件となっています。遺言書を書いた時に遺言能力があるかを判定する基準とするため、また、複数の遺言の先後関係を決定する基準とするために作成年月日を書かなければならないのです。

一般的には遺言書の末尾に、以下のように作成年月日と署名・押印をします。作成年月日は特定していなければならないため、年、月、日を全て数字で特定して記載するべきです。例えば、平成14年2月吉日や平成元年11月末日と記載された場合に効力が争われた事案もあるので慎重に書くべきです(結論的に裁判所は有効な遺言だと判断しました。)。
「 平成●年●月●日
住所:東京都千代田区●●町●丁目●番●号
「遺言者 会計 仁(昭和●年●月●日生) ㊞」」

遺言書を書くためのポイント③:署名・押印する

自筆証書遺言では署名・押印も要件となっているので書かなければなりません。署名は遺言書の末尾に氏名、住所、生年月日を手書きすれば問題ありませんが、押印についてはご相談においてよく質問されます。

まず、遺言書に押印する印鑑ですが実印でなくてもよく、認印や指印についても有効と解されています。もっとも一般的に実印を使用した方が遺言書が本人の真意であると言える場合が多いことから実印を使用した方が良いでしょう。遺言書と一緒に印鑑証明書も用意しておくとさらに信頼性が高まります。

また、遺言書が複数ページにわたる場合ですが、契印がなくても当然に無効とは解されず複数ページが一体の遺言書であると判断されれば有効と解されます。しかし、複数ページが一体の遺言書であることを明らかにするため契印をしておく方が良いでしょう。

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