2. 社会福祉法人の制度改革について

(1)ガバナンスの強化について

社会福祉法人は、2016年の制度改正によって、公益法人の制度改正と同様、評議員と理事の兼任禁止、親族等特殊関係者の制限、機関設計(評議員・評議員会・理事・理事会・監事の資格・員数・選任方法・権限・責任等)の明確化や見直しなどが図られました。主な変更点は次の通りになります。

 

① 評議員会は、法人運営に係る重要事項(役員の選任・解任・報酬決定、定款の変更、計算書類の承認など)を決定する必須の決議機関という位置づけとなります。

② 評議員は、その員数が理事の員数を超えることが必要です(理事の員数は6名以上)。また、各評議員・各役員について、特殊関係に当たるものは評議員になれません。また、評議員と理事は兼任が禁止されています。

③ 理事会は、法人の業務執行(理事長・業務執行理事の選定・解職、重要な財産の処分・譲受け、多額の借財、重要な役割を担う職員の選任・解任など)を決定する必須の機関という位置づけとなります。

④ 理事:員数は6名以上。理事のうちには、社会福祉事業の経営に関する識見を有する者、事業区域における福祉に関する実情に通じているもの者、施設を設置している場合は、その施設の管理者が含まれていなければならない。

⑤ 監事は、その員数が2名以上となります。監事のうちには、社会福祉事業について識見を有する者、財務管理について識見を有する者が含まれていなければなりません。また、監事は理事・職員を兼ねることが禁止されています。

⑥ 会計監査人は、一定規模の社会福祉法人において設置が義務付けられました。この一定規模は、現在、収益30憶円超または負債60憶円超とされています(段階的に引き下げる予定)。

(2)財務情報の公表と社会福祉計画の申請について

2016年度の制度改正によって、社会福祉法人は財務諸表や役員報酬基準を公表することが義務付けられました。

また、社会福祉法人は福祉サービスに再投資可能な財産額(社会福祉充実残額)を算定し、これに基づいて社会福祉計画を作成することが義務付けられました。誤解を恐れずに申上げれば、社会福祉法人は、事業継続のために必要な財産額を除き、内部留保利益を社会福祉のために計画的に使わなければならなくなった、ということです。なお、社会福祉計画の案については、公認会計士・税理士等から意見を徴収したうえで、所轄庁へ申請しなければなりません。

 

次回は、社会福祉法人の会計について、その特徴などを詳しくお伝えします。


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