最近、現時点において上場を目指さない会社の社長を支援している中で、ヒトについて改めて大事だと認識することがありました。上場を目指す、目指さないに関わらず、会社の成長と安定を目指すうえで、対応するべきヒト・モノ・カネのうち、今回は「ヒト」に焦点を絞って紹介します。

はじめに、組織として、どのような人材と共に将来に向けて推進していくのか定義することが大事になります。大きく区分すると、人間性を重視するのか、専門性を重視するのかになります。

 

1.人間性が良く専門性が高い人材(図の右上の象限)

組織として、人間性が良く専門性が高い人材は重宝されます(図の右上の象限)。しかし、残念ながら人間性と専門性が共に高い人材は少ないです。

この人材は、会社に何か問題が発生しても、会社のために自身で考えて行動し、成果を出すことが期待出来ます。タイプとしては、成長意欲があり、自責で考えられる方が該当すると考えます。

このような人材は、積極的に報酬面や役職面で評価することにより、会社に残ってもらえるよう努力する必要があります。他の社員からみた場合、どのような社員が会社で評価されるかがわかるので、良い社員の評価は高くする必要があるのです。

2.人間性が悪く専門性が低い人材(図の左下の象限)

一方、組織には、人間性が悪く専門性が低い人材も存在します(図の左下の象限)。

この人材は、会社に何か問題が発生しても、会社に対して不平不満を言うのみで、自身で何かを改善しようとしない、自身で成長をしようとしない、周囲を巻き込んで自分と同じ様な考え方をするような人材を増やす等、良くない行動を起こすこともあります。タイプとしては、成長意欲が無く、他責で考えられる方が該当すると言えるでしょう。

会社としてこのような人材に対して、諦めずに改善するよう接する事は大事です。会社にはその方を採用した責任があるので、変わる見込みがあるなしに関わらず、一旦会社として時間と労力をかけて努力をするべきでしょう。それでも変わらない場合は、会社として評価を低くすることにより、退職してもらい、他の方を採用する事も視野に入れる必要があります。