3.人間性が悪く専門性が高い人材(図の右下の象限)
一般的に判断が難しいとされるのが、人間性が悪く専門性が高い人材(右下の象限)と人間性が良く専門性が低い人材(左上の象限)のいずれを大事にするかです。中小企業やベンチャー企業においては、自社の教育システムが確立されておらず即戦力を求める必要があることから、中途採用で右下の象限の人材を採用することがあります。
確かに、会社として業務を止める事はできないため、即戦力の人材を採用することも大切です。しかし、長い目でみた場合、将来的に問題が発生するケースもあります。例えば、中途採用で専門性を重視してCFOを採用したところ、不正を行う、パワーハラスメントや、セクシャルハラスメントを行う等の問題が発生し、会社と従業員に大きなダメージを与えてしまったという事例もありました。当然、会社としては採用する際に、人間性も含めて十分に検討したのですが、経験豊富な方でしたので、その人間性を見抜く事は難しかったようです。
一般的に、管理部門の役員や社員は専門性が高いため、その領域の専門性を持たない経営者がマネジメント出来ない事が多いです。その結果として、不正や業務の生産性が低くなってしまう事があります。このような場合の解決策の1つとしては、社外の専門家を活用し、モニタリングする仕組みを構築することにより、専門性が高い人材の不正を防止することや、業務の生産性を上げることが可能です。
4.人間性が良く専門性が低い人材(図の左上の象限)
人間性が良く専門性が低い人材(左上の象限)は、中長期で見た上で会社が育成し、人間性が良く専門性が高い人材(右上)に成長してもらう必要があるでしょう。これは会社の利益のみならず、社員の利益にもなるので、お互いにとってプラスになります。
大企業では人材育成のノウハウや仕組みが確立されているものの、中小企業やベンチャー企業にはそのようなノウハウや仕組みが確立されていないことが多いです。そして、社長や管理職も忙しいため、育成に避ける時間も多く取れず、人間性が良い人材の専門性が向上せずに退職してしまうパターンも多く見てきました。
このような場合の解決策の1つとしては、社外の専門家を上手く利用する事です。例えば、私がCFOとして管理部門全体を統括していた際、労務・給与業務を未経験の社員に任せた事がありました。本人と会話した際、「将来自身の付加価値を高めるためにも、専門性が身につく業務がしたい」とのことでしたので、当時担当者を誰にするか検討していた労務・給与業務を担当してもらうことにしました。
当然、私は労務・給与業務の細かい実務まで把握出来ていないので、社労士の先生に事情を説明して、未経験の社員が社労士の先生に適宜確認しながら業務を進めることについて了承を得ました。先生には短期的に迷惑をかけることになるが、人材育成の観点を持っていること、中長期でみた場合、先生の業務負荷も減る事について説明し、協力を仰ぎました。その結果として、数ヶ月後には業務を安定的に回す事が出来るようになり、1年後には特に問題なく業務を回せるようになりました。
会社としても担当者が出来た事は良いことですが、その社員が先生のサポートがあるとはいえ、専門的な業務を行うことにより自分に自信を持てた事が、私としてはとても嬉しかったです。
以上、上場を目指さない会社であっても、ヒトに関して、どのような社員を大事にするか、そして、社外の専門家と協力して、人材育成する方法を紹介しました。あくまでも、今回の記事を一つの考え方として、会社経営の参考にして頂き、会社の成長と安定を目指して頂ければ幸いです。
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