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国がやっと重い腰を上げた、年末調整電子化

国税庁が10月1日に公開した、年末調整で従業員が保険料控除申告書等を作成する年調ソフト。マイナポータル連携で年末調整の電子化が可能になったが、紙とデータが混在すれば会社は大変な手間になる可能性も…

年末調整の電子化に対応した税務上の便利な機能が続々とスタートしている。

国税庁が10月1日に公開した年調ソフト(年末調整控除申告書作成用ソフトウェア)は、年末調整手続きの際に従業員が作成する保険料控除申告書等を作成するためのソフトウエア。

 

いくつかの質問に答えることで作成すべき控除申告書がわかる「控除ナビ」機能があるほか、保険料控除申告書について控除証明書に記載された情報を入力すると控除額を自動計算したり、扶養控除等申告書について扶養親族の生年月日を入力すると特定扶養親族の該当有無などを自動判定したりする機能がある。

 

そして10月1日からスタートした機能がもう一つ。マイナポータル連携による年末調整の簡便化だ。政府が運営するオンラインサービス、マイナポータルと連携することで、控除証明書等の必要書類のデータを一括取得して各種申告書を自動入力できるようになる。

 

便利になったものだ。でも、気になることもある。

年末調整の電子化は義務ではなく、あくまで任意だということ。

だから「なんか難しそうだから今まで通り紙で申請しよう」なんて人も出てくるかもしれない。そうなると、同じ会社でも「紙で申請する社員」と「データ申請する社員」が存在することになる。

 

社員からの申請を処理する会社側にとっては、紙とデータそれぞれをチェックすることになり大変な手間だ。昔ながらの「紙で申請」だけの方がよほど効率的かも。

 

年末調整電子化の目的は事務効率化であることを考えると、紙とデータの混在は効率化とはかけ離れた真逆の結果を産むことになる。つまり、年末調整電子化を狙い通りに機能させるためには、全従業員の理解を得、すべての申請を電子化に切り替える必要があるわけだ。

国がやっと重い腰を上げた年末調整電子化。今後の展開に注目したい。


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著者: 川瀬かおり

記者/税金ライター

社会部を根城とする税金オタクの女性記者。財務省・国税庁を中心に取材活動を展開すること20余年。事件モノを得意とし、裁判所にも日参する。税金ネタをこよなく愛する一方で、税制の隙間や矛盾を見つけては叩きまくるサディスティックな一面も。趣味は夜討ち朝駆けとクラブ通い。

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