●予算削減で国の競争力が落ちる
「支出を減らして財政健全化を」という声の下、例年、様々な予算が削られています。その一つが国立大学の予算です。平成16年の国立大学の法人化以後、大学運営費交付金は年々減らされています。
この結果、一部大学では運営が難しくなっています。大学が機能を果たせなくなれば優秀な研究者や日本の将来の経済を担う人材が育ちません。
緊縮財政を迫られているのは教育以外もあります。膨張した社会保障も削減せざるを得ないのです。結果、病床数は病院の再編・統合により年々減少しています。
病床数が激減すれば、重大な症状に陥っても適切な診察や治療を受けられなくなります。事実、今回のコロナでも病院のベッドが足りず、民間のホテルの個室が病室代わりになりました。
緊縮財政は財政健全化の一助になります。しかし、反面、私たちの安心安全な生活や将来の国の礎となるべき財産を削り取っているのです。