中小企業の事業再編の支援
①(新設)M&A時の法人税減税特例
中小企業がM&A(買収・合併)した後、M&Aした企業の隠れ損失などが顕在化することも少なくないことから、買収費用の一部を「準備金」として積み立てられるようにし、その積立金については経費として認め、法人税の負担を軽減する。
同特例を適用するには、青色申告法人である中小企業が、M&Aの取得金額として10億円以下などの一定の要件を満たす必要がある。準備金を損金算入できるのは、取得価額の70%を予定。
準備金は取得した株式を売却や清算等で保有しなくなった場合に取崩して益金算入する。また、株式を取得した事業年度から5年経過した事業年度から5分の1ずつ取崩して益金算入する。
あくまで課税の繰延べ措置なので、「事業譲受はのれん代の損金算入。株式取得は損金算入不可」という原則が崩れるわけではない。
このほか、買収効果を高めるためのシステム統合などの設備投資を行った場合、投資額の最大10%を法人税から差し引くか、全額、即時償却できるようにする。
(新設)自社株対価M&Aの課税繰延べ
会社法で創設された「株式交付」に応じた株主(法人・個人とも)の譲渡損益が繰延べられることにする。基本的には上場企業が比較的規模の大きな企業(上場、非上場とも)を買収する際に利用することを想定。中小企業のM&Aにあまり使われることはないと想定されるが、制度上は非上場企業同士のM&Aでも適用は認められる。
研究開発税制の見直し
新型コロナの影響で売り上げが減少した企業が、事業発展のため研究開発投資を行った場合には、その費用の一部を法人税から差し引ける措置を拡大する。
現在は大学やベンチャー企業と共同で行うことなどを条件に、法人税から最大45%差し引ける措置があるが、2021年度から2年間に限って上限50%に引き上げる。対象は、感染拡大前と比べて年間の売り上げが2%以上減少した企業。
短期退職者の退職所得課税の見直し
勤続年数が5年以下である者に支払う退職金は、短期退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額のうち300万円を超える部分について、2分の1課税を適用しないことで退職所得課税の適正化を図る。特定役員退職金等は該当しない。令和4年分の所得税から適用する。



