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お客様の喜ぶ顔が源泉。日々進化し続けることを胸に今後を見据えた税理士の新たな挑戦【みらいコンサルティンググループ 西村洋一氏】

新規事業の立ち上げから地域貢献、社会貢献など、様々な取り組みに携わっているみらいコンサルティンググループ取締役の西村洋一氏。仕事に対するモチベーション、カスタマーサクセスの実現のための取り組みなど今後のビジョンと合わせてお話をお伺いしました。(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 村松)

税理士としてのキャリア

まず、税理士を目指したきっかけについて伺いたいと思います。

西村:大学時代のサークルと私自身の性格がきっかけですね。大学ではスキーサークルに入り、2年生のときに大会でチームで2位になりました。しかしそれが悔しくて、3年生になったから絶対に1位になろうとチーム一丸となって真剣にスキーに取り組んでいました。その中でも私は思い込みが強いので、山から下りたらスキーが下手になってしまうと考え、1月には大学で試験があるのに3年生の12月ぐらいからスキー学校がある山にこもっていました。チームで優勝したものの、結局留年してしまいました。当然ですよね(笑)。

同級生は4年生で就職活動に忙しくしている中、自分はどうしようと考えて、ふと、もともと数学が好きなこともあって簿記をやろうと思い立ちました。簿記は大学でも学んでいたし、数字を扱うからなのか、自分としても勉強していて楽しかったからです。そして「絶対に俺は受かる」と周囲に言って日商2級を受けて、見事に落ちました。若かった私は「落ちたのは俺のせいではない」と思っていたので次に1級を受け、そして落ちました。その悔しい思いから、税理士を目指すことにしました。おそらく2級に受かっていたら、そこで辞めていたと思うのです。さらには1級も落ちたから腹が立つ。1級をもう1回受けたら、本当に落ちたということになる。だからその上の資格である税理士を目指しました。

今考えると、得意と思っている数字で「負けた」と思いたくなかったんだと思います。

みらいコンサルティンググループでのキャリア

卒業後は3年ほど会計事務所にいらして、その後、現みらいコンサルティンググループに入社されたのですよね。

西村:はい。やはり実務をやってみると、貸借を合わせるとか、仕訳のチェックをするとか毎日数字を扱うことが非常に楽しかったです。楽しく仕事にのめり込めたからか、最初の会計事務所では2年目で申告書のレビューをさせていただくことができました。

申告書のレビューを任せてもらうのは光栄だったのですが、もっといろんなことにチャレンジしたいという思いもあり、当時は中央青山PwCコンサルティングという名前だった弊社に入社することにしました。率直に言うと、この社名の格好良さに惹かれたのです。それに、まだ社会人3年目で生意気だった私を採用してくれたのが弊社だけだったということもあります。普通の会計事務所では扱いづらいタイプだったのでしょうね(笑)。

働きながらの資格取得は、ご苦労されたのではないでしょうか。

西村:その頃は会計事務所勤務後、夜に水道橋の専門学校に通っていました。仕事で勉強時間が取れなかったので、朝4時に起きて勉強しました。とにかく新しい知識をお客様に提供できることが楽しくて、全く苦ではなかったですね。何とか仕事と勉強の両立をして、入社2年目に税理士合格をすることかできました。

ただ、資格がない状態で働いているからこそ得られた視点もありましたよ。あるとき、IPO支援でお客様のところへ行って、会社の規程類や業務フローチャートなどのIPO申請書類を作っていました。その中で決算プロセスの話には、税金の話も出てきます。そして適正な会計基準にするため過去の決算を直すと税務調整も入るのです。しかし私の場合、税理士の勉強もしていますから税効果に関する知識があります。

そういった私の仕事ぶりを見て、お客様が「西村さん、税務詳しいですね」と言うのです。これは今の新規事業にも繋がるほど、私に新しい視点を与えてくれた言葉でした。もし私が会計事務所で税理士としてこのときの仕事をしていたら「税務詳しいですね」とは言われないはずです。詳しくて当たり前ですから。しかし普通の業界からすれば税務に詳しいというのは大変価値がある。そこに気が付くことができました。「自分の仕事の基軸は税務である」。今もそう思っています。税務の仕事はほとんどやっていませんが(笑)。

その後、大阪支社の立ち上げにご尽力されることになりますが、ご自身で希望されてプロジェクトへ参加されたと伺いました。どのような点に魅力を感じて参加されましたか?

西村:当時、中央青山は監査法人で一番IPOをしていました。人手が足りないので私もIPO支援を行い、一通りできるようになりましたが、満足と同時に何か心にもやもやしたものがあったのです。このもやもやの正体は、経営者と日常的に会うようになって、そこの思考を知りたいと思うようになったこと。しかしその反面、弊社のことは好きでしたし、独立したいという気持ちにはならなかったこと。この二つの相反する気持ちでした。後から振り返ればこうしてもやもやの正体が分かりますが、当時は何だろうと消化不良があったのです。

その頃、大阪支社を作るという話がありました。もともと大阪での仕事があったので、大阪出張の時に立ち上げ前の大阪支社を見せてもらったのです。そして、まだできていない空間を見たときにすぐ「行きたい」に変わってしまいました。新しく何かを作り上げられることにワクワクしましたし、会社を辞めずに独立したような仕事ができて、これまでの経験を活かせますからね。大阪支社メンバーと金融機関に通って、何とか関係性を築いて1年くらいでようやく形にしていき、その後名古屋、福岡と次々に立ち上げました。

ゼロから作ることがお好きなのでしょうか。

西村:そうですね。人と違うことをしたいですし。ただ、東京ではなく大阪でゼロから作るとなると、別の難しさがありました。東京では、親会社の中央青山の名前がありますから仕事が取れます。しかし大阪でみらいコンサルティング(中央青山から社名変更)といっても、地銀の方も知らないですし、お客様も知りません。中央青山と取引のあったメガバンクさんのご紹介で、仕事をいただけるくらいです。

それまで自分は営業や喋りが得意だとは全く思っていませんでしたが、知名度で仕事が取れない以上、自分で営業するしかない。しかし1年ぐらいしても仕事を取ることができず、そこで自分の能力がないのかと気づいた。簿記2級、1級と近いです。そこからやり方を一気に変えました。具体的には、毎回お客様の会話の反応を見て、話がうまくいかなかった点について次までに提案書を修正する。これを繰り返しました。そして1年間繰り返していたら、最初と全然違う提案書になっていました。今思うと、それまでの自分は大企業であると思って上から営業していたのかもしれません。やり方を変えて売上も上がっていきました。

上手くいかなかった頃はお客様の声を聞かずに、専門性をとにかく押し込んでいたのだと思います。専門性はお客様の課題を解決するためにある。仕事が取れない時期があったからこそ、それに気が付くことができました。

経営についてと今後のビジョン

人と違うことをしたいということは1つのモチベーションだと思いますが、人と違うこと、新しいことに挑戦されるときに意識されていることや、大事にされていることはありますか。

西村:社会を良くしたいと思っています。そのための仕事でなければ、モチベーションが湧かないのです。日本を、世界を良くしたいという思いは常に持っています。HPにありますが、当社は現在、3年で100の新規事業を立ち上げようとしています。中小企業も新しい事業を作っていく必要がありますが、こちらがやったことがないのでは説得力がありません。ですから実際にやっているのです。

当社を例にすると、一昨年最高利益を上げました。しかしこれは、私が事業承継や人事労務などのサービスを作った10年前の種が花開いた結果。10年後に花開くためには今も準備をし続けなければ、開発をしない製造業のようになってしまいます。「士業なんてなくなる」と、いうのは簡単ですが、行動しなければ何も生まれない。新しい事業をやる際に大切にしなければならないことは、自分たちの強みは何なのか知るということです。たとえば、ITのアプリ開発をしている際に、IT業界は「税務」や「労務」などは全然知らないのだと驚いたことがありました。IT×税務となると自分達の強みが活かせる。「自分たちの基軸は税務である」という話に繋がります。

社内でも新規事業を考えようという意識が生まれて、他の部署同士が会話するようになりました。また、3D組織と呼んでいますが、縦割りではないチーム作りを意識しています。採用するときにも、一次面談では基本的に税理士が出てきません。なぜなら、面接官が税理士では質問が専門的になってしまうからです。他の部署のメンバーが税理士を面接して弊社の風土に合うかどうかをまずは見る。他部署のメンバーが一緒に働きたいと思うメンバーならチームで仕事ができますし、新しい事業も生みやすくなります。

現在、そうした新しい仕組みを立ち上げられていますが、それに対してこれからやりたいことは何でしょうか。

西村:もう少し、成果にこだわろうとしています。今期、会計コンサルティング業界はコロナ禍の影響を受けています。その中でもちゃんと儲かっているところはある。もっと営業魂を持たなくてはなりません。業績と、お客様のカスタマーサクセスを応援する気持ちの両方を持つことが必要です。チームとして、組織として、一定の業績をコミットする会社風土を持ちたいですね。そして求める一定の業績までいったら、また新規事業に注力する。このバランスが大事だと思います。お客様を継続的に支援するためには、弊社もどんな状況であっても利益を出さないといけないという危機感を持っています。

まさに会計の専門家ではなくて、HPにあるように1つの新しい姿に向かって動いていらっしゃるのですね。「会計業界」というくくりについては、どうお考えですか。

西村:会計業界というくくりが無くなる世界を意識した方がいいと思っています。こういったくくりをしても何も生みません。税理士として何をしたいのか、ではなく、世の中を良くするためにどうしたらいいのか、という意識を持ってほしい。だから士業を取りながら、士業を意識しない人を採用したいのです。自分自身の特徴をつかんで仕事をしてほしいですね。

自分の特徴を知るための秘訣は何でしょうか。

西村:お客様に喜んでいただいたときに、自分は何が得意で、何で貢献できるのかと振り返ることではないでしょうか。それぞれの人間の特徴や良いところを知って、それをチーム内で活かせば良い仕事ができます。あとは、他人、特に税理士以外の方からのフィードバックを、耳の痛い内容でもちゃんと受け入れること。そして自分の良いところを伸ばすことですね。完璧な人はいませんから、不得意なところに時間を使うのはもったいない。劣等感からではなく、得意なものを伸ばすために士業を目指す、というのが理想だと思います。

専門性だけではなく、これからは他に何かをやりたいかが重要だということですね。

西村:そうですね。ちなみに私は、お客様が喜ぶことが自分を変えてくれる源泉だと思っています。これはどこまでいっても満足がないし、飽きません。その先を求め続けて、目標を立て続けています。ここが軸です。

それと、地方を良くしたいという思いもあります。今、弊社では47都道府県、毎年1つはIPOをしようと言っています。それが地域を守ることに繋がるからです。地方に大きな会社がないと、地方に人材が戻っていかない。大きく、魅力的な会社を作ることが地域貢献になるのです。

もちろん、地方と同時にIPOの動きが元気な東京でも存在感を発揮したいですね。我々はIPOも真剣にやる一方で、再生にもしっかりと取り組む時期に来ています。こういった動きが活発な時にコンサルできる準備をしておきたいです。今まで入れていない紹介先も、もう一度扉が開くのではないかと思っています。逆に、当社が強みとしていた部分に他社が入ってくることも考えられます。ここ1、2年で、業界の勢力図も変わるのではないでしょうか。

明確な答えはなくても、危機に寄り添える仕事ができる時期が今です。だから社内でも「ピンチがチャンス」だと伝えています。世の中が変わるときに、同じビジネスモデルでやっていると負けます。仕事自体がなくなるからです。魚が大移動している現在、税理士という釣り堀の中で釣っていても大物は釣れません。

KaikeiZineの読者へメッセージ

最後に、KaikeiZineの読者へメッセージをお願いします。

西村:変化の流れに乗るためには、既に困っていることを解決しても差別化できません。経営者がまだ気付いていない原因を、一緒に見つけてあげることが必要です。そのためには、経営者の気持ちが分からないといけません。信頼されるためには、自分で考えて、失敗してもいいからすぐに行動すること。本当に実行する人間は、言葉の力が変わりますから。自分の苦手を決めつけず、どんどん行動をしていく人間性があれば、経営者も心を開いてくれると思いますよ。

【編集後記】
様々なご経験を生かし、ご活躍をされている西村先生からのお言葉、とても響きます。

”言葉が生きている”って、まさにこういうことなんだなと。西村先生、ありがとうございました!

みらいコンサルティンググループ

みらいコンサルティング株式会社

●設立
1987年4月6日

●所在地
東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン19階

●ビジョン

Co-Creation for Innovative MIRAI 2030

●企業URL
https://www.miraic.jp/

 


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著者: KaikeiZine編集部

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