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請求人の仕入計上額が過大であるという原処分庁の主張が否認された事例【法人税等/全部・一部取消し】元国税審判官が解説 公表裁決から学ぶ税務判断のポイント(第15回)

原処分庁が、請求人の輸入申告に係る申告価格に基づき算出した仕入金額を真正なものとして請求人の確定申告額を否認したところ、請求人は事後的に税関に修正申告して自らの輸入申告額を仕入計上額に一致させたことから、原処分の全部又は一部が取消されました。

国税不服審判所令和2年2月5日裁決(国税不服審判所HP)

1.事実関係

本件は、審査請求人(請求人)が、輸入取引に係る仕入額について総勘定元帳に計上した額に基づいて法人税等の確定申告をしたところ、原処分庁が、真正な仕入額は税関での申告価格であり、これを上回る金額は損金の額に算入することができないなどとして、法人税等の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分並びに青色申告承認取消処分を行ったところ、請求人が、税関での申告価格は誤っており、請求人が総勘定元帳に計上した金額が真正な仕入額であるとして、原処分の一部の取消しを求めた事案である。

請求人は、卸売業を営む内国法人であり、請求人の代表取締役Kが代表者を務める中国法人Q社からアパレル製品を輸入(本件輸入取引)し、日本国内の業者に販売していた。同製品の中国からの輸出手続きについては中国の輸出業者(シッパー)が代行し、日本国内の輸入申告手続きについては、シッパーが作成したインボイス等必要書類に基づき、日本の通関業者が代行していたところ、請求人はQ社作成の請求書(本件請求書)に基づいて算定した金額を仕入高(本件元帳計上額)として総勘定元様に計上していた。すなわち、請求人の輸入申告における申告価格(本件輸入申告額)と、輸入元作成の請求書の価格が乖離し、差額(本件差額)が生じていた。

本件差額が明らかとなった原処分庁調査に先立ち、請求人は、所轄の税関による調査[1]を受けており、その際、請求人代表者は、税関に申告した価格が正しい価格であり、請求人の仕入額となる、それゆえ、Q社からの請求書に基づいて決済した金額は過大となっているなどと申述していた(本件申述)。


[1] 税関調査の結果、更正処分等を行わないという当局の判断が示された。

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