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請求人の事業所得の金額を推計するに当たり、原処分庁が採用した類似同業者の抽出基準及び抽出方法に一応の合理性があるとされた事例【所得税/一部取消し】元国税審判官が解説 公表裁決から学ぶ税務判断のポイント(第33回)

請求人は、請求人の事業は自動車整備業のみで、自動車販売は附帯的に行っているだけであるから、原処分庁が、自動車整備業及び自動車販売業を営む者を類似同業者の抽出基準としていることには合理性がない旨主張しました。しかしながら、請求人は、自動車整備業だけでなく自動車の販売も行っていると認められる以上、原処分庁が、類似同業者の抽出基準において、自動車整備業及び自動車販売業を営む者を請求人の類似同業者としたことは相当であるという判断が下されました。なお、本件では、請求人の収入金額の異動により、審判所の認定額が原処分額を下回ったため、原処分の一部が取り消される結果となりました。

国税不服審判所令和3年3月4日裁決(国税不服審判所HP)

1.事実関係

本件は、自動車整備業等を営む審査請求人(請求人)が、所得税等及び消費税等について確定申告をしていなかったところ、原処分庁が、調査時に帳簿書類等の提示要求をしたにもかかわらず、それらが提示されなかったため、推計の方法により事業所得の金額を計算し原処分を行ったことに対し、請求人が、推計の方法には合理性がない旨等を主張して、原処分の全部の取消しを求めた事案である(消費税等については省略)。

請求人は、平成21年頃に事業を開始し、事業を営む上で作成した見積書、請求書、納品書及び領収証等について、原処分に係る税務調査開始時までにその全てを廃棄しており、また、帳簿の作成、保存もしていなかった。

2.争点

事業所得の金額の計算上、推計の方法に合理性が認められるか否か(他の争点は省略)。

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