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判決が確定した年分に賠償金等の収入計上をすべきとされた事例【所得税等・消費税等/請求棄却・一部取消し】元国税審判官が解説 公表裁決から学ぶ税務判断のポイント(第16回)

損害賠償請求訴訟に係る損害金の収入帰属の時期は、当該訴訟の判決が確定した日の属する年分という判断が示されました。

国税不服審判所令和2年4月21日裁決(国税不服審判所HP)

1.事実関係

本件は、原処分庁が、審査請求人(請求人)がその所有する土地について賃料及び賃料相当損害金等の収入があったにもかかわらず確定申告をしなかったとして、所得税等の決定処分並びに無申告加算税の賦課決定処分等を行ったところ、請求人が、原処分庁が決定した各年分の不動産所得に係る総収入金額に誤りがあるなどとして、原処分の全部又は一部の取消しを求めた事案である。

請求人は不動産貸付業を営む個人事業者であるが、平成25年から同29年までの各年分(本件各年分)の所得税等に係る確定申告書を提出しなかった[1]。他方、請求人の父Gらは、平成17年12月1日から平成22年4月30日までの間、請求人に無断で請求人所有の土地(本件各土地)を駐車場として貸し付け、賃料収入を得ていたため、請求人はGらを相手取り、賃料収入に相当する損害賠償金又は不当利得金等の支払いを求めて訴訟を提起したところ、J地方裁判所は、請求人の主張を認め、Gらに対し、賃料相当損害金(本件損害金)及び遅延損害金(本件遅延金)の支払いを命じた(本件判決)。その後、Gらは本件判決を不服として控訴したが、K高等裁判所は、Gらの控訴を棄却する判決を言い渡し、同判決は確定した[2]


[1] 請求人の無申告の事実は、平成30年8月28日に開始された原処分庁職員による調査の結果判明した。一連の調査の過程で請求人は調査に非協力的であり、平成31年2月20日期限後申告の勧奨にも応じず、結果、平成31年3月6日に、原処分庁から平成25年分以降の所得税の青色申告の承認の取消処分を受けた。

[2] 公表裁決では、判決の確定日付はマスキングされているが、後の記述から、平成25年中であったことが分かる。

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