請求人が購入した漢方薬等の購入費用は、医療費控除の対象とならないという判断が下されました。

国税不服審判所令和元年5月22日裁決(国税不服審判所HP)

1.事実関係

本件は、請求人が、漢方薬等の購入費用を医療費控除の対象として平成28年分の所得税等の確定申告をしたところ、原処分庁が、当該漢方薬等の購入費用は医療費控除の対象となる医療費に該当しないなどとして所得税等の更正処分等をしたのに対し、請求人が、原処分の全部の取消しを求めた事案である。

請求人の生計一親族である請求人母は、平成27年9月以後15回にわたり、検査のためM2病院M3医師の診察を受けていたところ、請求人は、H1~H4の漢方薬4種類(本件漢方等)を購入し、平成28年度の確定申告において、本件漢方等の購入費用を医療費控除に係る医療費の金額に含めていた。

2.争点

本件漢方等の購入費用は医療費控除の対象となる医療費に該当するか否か。

3.請求人の主張

H1及びH2は薬機法[1]上大臣指定された医薬品ではないが、その成分に含まれるものは、日本薬局方に収載されている上、H1及びH2は「使用目的・効能効果・用法用量」が表示され、「その販売方法」は薬局でのみ販売され、薬剤師の指導の下に治療に使用されているのであるから、いずれも薬機法2条1項の医薬品に該当する。

請求人母は、平成27年9月から継続的にM2病院において検査を行っており、請求人母に各症状があり、その治療の目的で本件漢方等を服用していたので、医療費控除の要件を満たしている。


[1] 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律